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もしかしたら嫌がられるかもしれない…
それでも…話しておきたい事があった。
少し深呼吸した後に通話ボタンを押す。
『…もしもし』
「あ… Aです。疲れてる中ごめんね…」
『いや、大丈夫だ。寧ろ…今かけてきてくれて嬉しい』
そう言われれば、やっと緊張していた体が解れるのを感じた。
「試合、見てたよ。お疲れ様」
『そうか…見届けてくれたんだな。負けてしまったが…』
「…あのね、マーク……」
私が今、彼に電話をした意味。
慰めの言葉なんかじゃない…伝えるべき言葉を、伝えなきゃ。
「私達イナズマジャパンは、絶対に優勝するよ。私は選手じゃないから実際には戦えないけど…マネージャーとして、みんなが優勝出来るように支え続ける。だから、これからも見届けて欲しい」
さっき鬼道君が言っていたように、敗れたチームの思いを決して無駄にはしない。
それを忘れずに前に進むんだ。
『A…ああ、そのつもりだ。お前達の勝負の行く末をこの目で見届けるよ…最後まで』
表情は見えないけれど、笑ってくれているのが分かった。
思いが伝わったみたいで今度こそ心から安心する事が出来たんだ。
『それにしても、さすがAだな。やっぱり俺の目に狂いはなかったよ』
「どういう意味？」
『ん…お前が俺の恋人で良かったって事だ』
これが電話で本当に良かったと思う。
こんな赤くなった顔見られたら、また意地悪されかねないだろうから…
『そうだ。明日、楽しみにしててくれよ』
「え？何を？」
『明日になれば分かるさ』
マークはそれ以上教えてくれるつもりはないらしい。
明日…何かあったっけ…？
特に何も約束とかもしていないはずだけど…
どれだけ考えても心当たりがないため、彼の言う通り大人しく明日を待つしかないみたいだ。
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
