君と繋いだ手の先へ part2【イナイレ】 (ページ39)

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「そういえばAは泳げるのか？」
「えっと…お恥ずかしながら、あまり……」

これといって運動神経は良いとは言えない私は、泳ぐのが苦手なのは当然といえば当然な訳で。
運動神経抜群の彼氏が居ると、余計にその事が恥ずかしく思える…

「そうだったのか…だが、泳がずとも十分に楽しめるからな。気にする事はない」
「マーク…」

繋いでいた手に力が入る。
彼の優しさに触れる度に、私の中は愛おしさで溢れていく。
それを少しでも伝えるには、言葉よりもこうする事の方が確かな気がするんだ。

海でしばらく過ごした後、一先ず休憩として木陰にあるベンチに二人並んで座る。

「前から思ってたけど、この島の夕日って綺麗だよね…」

水平線の向こう側へゆっくりと沈んでいくオレンジを見つめながら呟いた。

「ああ。この景色を最後にAと見られて、最高の日になったよ」

その一言で夕日から隣へと視線が移る。
さっきまで一緒に前を向いていたはずなのに、マークは既に私の方へと視線を向けていた。
ベンチに置いていた手にそっと彼の手が重なる。
どちらからともなく顔を近づけ合えば、次に重なるのはお互いの唇同士。

唇が離れたら、私は彼の肩に頭を預けた。
そんな私の肩を大きな手が抱き寄せてくれて。

私達はしばらくの間二人きりで夕日を眺めていたんだ。