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イナズマジャパン対オルフェウスの試合は壮絶な戦いだった。
因縁の相手である影山が監督を務める中、オルフェウスは最初あまり調子が出ておらず上手く機能していなかったけれど、ある時を機に彼らの本来の力を発揮してきた。
カテナチオカウンターと呼ばれる必殺タクティクス。
それに幾度となくこちら側が苦しめられ、不利な状況に追い込まれた。
さらに相手チーム側の正キャプテンの加入により、さらに激しい戦いへ。
それでも諦めずにお互い持てる全ての力で試合に挑んでいき、結果は両者引き分け。
どちらも勝利という栄光は掴む事が出来ずに、今回の戦いは幕を閉じた。
私達イナズマジャパンが決勝戦に進めるかは…明日のユニコーン対ジ・エンパイアの試合にかかっている。
待つ事しか出来ない現状にみんな悔しそうにしている中、監督の言葉で気持ちの整理がついた。
それからもう一つの大きな出来事…影山の逮捕だ。
彼は自ら警察に通報をして連行されて行った。
最後に今まで見た事のない笑みを浮かべて…
あの笑みは、きっと心からのものだったのだろうと信じたい。
そしてフィールドからスタジアムの奥へと移動する際、頭上から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「A」
「！マーク、それにディラン君も！」
観客席からこちらを見下ろすマークとディラン君の姿が。
昨日電話で話した通り、今回の試合を見届けてくれたみたいだ。
「お疲れ様。引き分けになってしまったが、見ていて熱い試合だったよ」
「どちらもギンギンに攻めてて燃え上がってたぜ！」
「ありがとう。あ…これから出発までにまだ少し時間があるの。後でまたそっちに行くね」
「分かった、待ってる」
その場では軽く会話を交わして、スタジアムの裏へ通じる出入り口に向かう。
一度控室で準備を整えてからマークの待つ観客席へと歩いていく。
…が、その途中で足を止めた。
「そういえば…フィディオとの約束……」
確かオルフェウスが勝ったらという条件で伝えたい事があると言われていた。
けれど、試合結果は引き分け。
この場合はどうなるんだろう…？
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
