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FFI決勝戦が終わり、ライオコット島で過ごす最後の日。
明日にはここを発って祖国である日本へと帰らなければならない。
それは私達イナズマジャパンだけでなく、最後まで試合を見届けてくれた各チームのメンバー達にも言える事。
その中にはもちろん…マークも入っている。
とうとうお互いの国に帰る時が来てしまったのだ。
だからその前に、最後の日は一緒に過ごさないかと彼が誘ってくれていた。
今日は思い出作りとして自由行動が許されている。
私が彼からの誘いを断るはずもなく、二つ返事で了承。
マークと丸一日デートするのはこれが初めてだ。
「A」
約束の時間になり、準備をして宿の外に出ると名前を呼ぶ声が。
声の主を視界に捉えただけで、私の気持ちはいつだって高揚してしまう。
「マーク！ごめん、待たせちゃった…？」
「いや、全然大丈夫だ。ちょうど良かったよ。じゃあ、早速行こうか」
ごく自然な動作で私の手を取って絡めてきてくれる。
それがたまらなく嬉しくて…うん、と頷きながら私もギュッと手を握り返したのだった。
今日のデートは時間の許す限り各エリアを回り、夕方頃に少しだけ海で過ごそうという計画になっている。
全部のエリアを全て回るのは中々に大変そうだけど、彼と一緒ならきっとあっという間に回れてしまうんだろうな、と思っていたり。
私のいる宿前まで迎えに来てくれた事から、まずは日本エリアから回る。
「あ、ここのお店前に練習が休みだった時に行ったんだけど、定食がすごく美味しいんだよ」
「へぇ、そうなのか。なら、昼はここで食べるか」
私の紹介で興味を持ってくれたのか、お昼ご飯は定食屋さんで食べる事に。
戸を開けて中に入れば、昭和の食堂のような雰囲気の店内にどこか懐かしさを覚える。
「日本のメニューばかりだけど…マーク、何か食べてみたいものある？」
「そうだな…やはりジャパンといったら、焼き魚定食か」
彼が一番惹かれたのはどうやら焼き魚定食らしい。
私は唐揚げ定食に決めて注文すると、数分後にそれぞれの定食が出された。
「おお…これがジャパンの料理なんだな……」
目の前の定食に目を輝かせながらそう言うマークが可愛らしくて、思わずクスクスと笑ってしまう。
何だかちょっと意外な一面が見れたかも。
「冷めないうちに食べようか」
「確かにいつまでも眺めている訳にもいかないよな」
私達は手を合わせていただきますをする。
マークは器用に箸を使って早速焼き魚を口に運んだ。
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
