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ピッ…ピッ…ピー！！
一際大きなホイッスルが鳴り響く。
その瞬間、あれだけ盛り上がっていた会場がシン、と静まり帰る。
本当に…時が止まったみたいに。
得点板に表示されている3-2の数字。
決勝戦で最後に勝ち越したのは…イナズマジャパン。
「やったあぁぁぁーっ！！！」
円堂君が叫ぶと同時に、再び会場がわっと湧き上がった。
紙吹雪が打ち上げられ選手達が彼に走っていく中、私達マネージャーもみんなで抱き合って優勝の喜びを分かち合う。
「本当に、優勝したんだね…！」
「うん、うん…っ！」
それぞれ笑顔でも目には涙が浮かんでいた。
信じられない気持ちも正直少しだけあるけど、みんなの顔を見れば紛れもない現実なのだと教えてくれる。
試合終了後の両チームの挨拶が終わり、しばらくの間は記念写真タイムへ。
円堂君はロココ君やおじいさんと写真を撮っていたり、両チームの選手達がお互いにユニフォームを交換していたり…
私もマネージャー同士や選手達とたくさんの写真を撮った。
「守！」
ふと聞こえた円堂君を呼ぶ声。
上を見上げれば、観客席から身を乗り出す各国のキャプテン達が。
その中にはもちろんマークもいる。
「フィディオ達！観に来てくれたんだな！」
「当然だろ！優勝、おめでとう！」
「今まで観た事ない熱い戦いだったぞ」
それぞれが祝福してくれる中、マークが私を見て声を掛けてくれた。
「A、おめでとう。最後まで見届けさせてもらったよ」
「ありがとう。これもみんなが頑張ったおかげ…本当に嬉しいよ！」
マークを見上げて笑えば、彼は少し目を見開いて固まってしまう。
それを不思議に思っていると、彼の肩にフィディオの腕が回された。
「安心して、A。今の君の笑顔が最高に可愛かったから、フリーズしてただけだよ！」
「！おい、フィディオ…！」
ウインクをして言うフィディオに反して、マークは顔を赤くさせて照れ臭そうに首に手を当てている。
最初こそ私も恥ずかしかったけど、何だか可笑しくなってまた笑うんだ。
「そうだ。後でみんなで集合写真撮ろうぜ！会場前でさ！」
円堂君がそう提案すれば、反対する人は一人もいない。
集合写真か…
イナズマジャパンだけで撮ったものはあったけど、他チームも合わせての写真はまだだったからすごく楽しみ。
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
