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「あ、そろそろ皆さん休憩の時間ですね」
「あら、もうそんな時間？」
「すっかり話に夢中でしたね…」
「あはは…ちょうど良かった。私、ドリンクケース持ってくるね」
私はみんなの分のドリンクが入ったケースを持って来る為に宿へと走る。
「…あ……そういえばマークとフィディオの分が無かったな…」
宿に戻りケースを持って行こうとした時、その事実に気が付いた。
二人の分だけ無いなんてあまりにも冷た過ぎる。
彼らも一緒に頑張っているんだから、用意するのが当然だよね。
私は急いで予備のボトル二本を取り出し、二人分のドリンクを作った。
冷たくなるようちゃんと氷も入れて。
それからタオルも二枚用意してからグラウンドに戻る。
「お待たせ〜！ごめんね、時間かかっちゃって」
「そんなに経ってないから大丈夫よ」
「もしかしてあのお二人の分も用意してくれてたんですか？」
冬花ちゃんの言葉に頷いた。
「ほら、言った通りですよ！」
「え？」
少し興奮気味の春奈ちゃんにポカンとしていると、秋ちゃんが苦笑いしながら訳を説明してくれる。
「さっきAちゃんが宿に戻って行った後、私達もあの二人の分のドリンクとタオルが無い事に気付いたの。それを伝えに行こうと思ったんだけど…」
「A先輩の事ですから、きっとその事に気付いて用意してきてくれるって信じてたんです！」
「お手伝いにいかなくてごめんなさい。でも、好きな人の分ならご自身で用意したいだろうなと思って…」
何というか…少しだけ呆気に取られた。
私の考える事がこうも彼女達に分かってしまっているだなんて。
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月20日 7時
