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そして何だかんだ言って荷物はフィディオとマークが一袋ずつ持って行ってくれる事になり、三人でグラウンドへと歩いて行く。
最初こそ少し険悪だったムードも、話していくうちに和らいでいってホッとした。
「ってことは、二人は出会って数日で付き合ったって事？」
「まあ、そうなるな」
「へぇ〜…いくら何でも早過ぎると思ったけど…」
「想いを伝えるなら早くないとダメだったんだ。この大会が終われば、そんなタイミングは次いつ訪れるか分からないしな」
マークの言葉に思わず彼の顔を見上げる。
彼から想いを告げられてまだそんなに日は経っていないけれど、今思い出しても胸の奥が熱くなっていく。
どれだけ真剣に考えて告白してくれたのかが、改めて感じられたから嬉しかったんだ。
そんな私に気付いたのか、彼もまた私を見て笑ってくれた。
「なるほど。確かにマークの気持ちは分かるな。俺が君の立場だったとしても、同じように行動してたはずだし…ね」
フィディオはそう言うと私に向かってウインクをした。
するとマークが私を隠すように少しだけ前に出る。
「マーク？」
「A、フィディオとはあまり仲良くし過ぎるなよ」
「酷いな〜マークは。俺はただ友達としてもっとAと仲良くなりたいのに」
「信じられるか」
またもや二人の間に火花が散りかける。
一体何が彼らをここまで熱くさせるのか…
とにかく喧嘩はして欲しくないので、慌てて止めに入った。
「ああっ、もうグラウンドに着くね！フィディオは元々練習しに来てるけど、折角だしマークも一緒に練習していったらどうかな？」
「練習か…それもいいかもな」
「何か上手い事はぐらかされたな〜…でもまぁ、いっか」
何とか喧嘩を回避出来たみたいでホッとする。
二人とも、仲がいいはずなのに…どこで火がつくか分からないよ……
そしてグラウンドに戻って来た。
二人の突然の練習参加にみんな快く承諾してくれた。
というか、円堂君をはじめみんなもその方が燃えるみたいだから大歓迎って感じなのかな。
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月20日 7時
