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「ディラン？どうかしたのか？」
その時、一番会いたいと願っていた人の声が耳に届く。
ディランと呼ばれた彼の後ろからは、ポケットに両手を入れて歩いてくるマークの姿。
「！A！？どうしたんだ？こんなところまで…」
マークは私に気付くとすぐに駆け寄って来てくれた。
彼の存在を認知した事で、緊張感から一気に解放されるのが分かった。
「あ…私、マークに会いに来たの」
「俺に？」
「これ、昨日作ったから…よかったら、受け取って欲しくて」
そっと彼の前にお菓子の入った袋を差し出す。
「甘い匂いだ…もしかしてクッキーか？」
「うっうん。美味しいかどうかは分からないけど…」
「そんな事ない。わざわざありがとな」
その笑顔にホッと胸を撫で下ろす。
すると今まで黙っていた彼…ディラン君がマークの肩に腕を回して問いただした。
「ちょっとちょっとマーク！この子一体誰なのさ〜？もしかしてyouのガールフレンドだったりするのか！？」
その言葉に思わずマークと目が合う。
確かにこんなやりとりを見せられたら、彼女だと思うかもしれない。
間違ってはいないけれど…！
「…ああ、そうだよ」
「ワオ…本当にガールフレンドだったとは！マーク、いつの間にこんなに可愛い子をゲットしたんだい！？」
しばらくディラン君の興奮状態が続いたけれど、マークがこれまでの経緯を説明しながら何とか彼を落ち着かせてくれた。
「へぇ、そんなドラマのような出会いだったとは驚きだな！というか、そんな事一言も教えてくれなかったじゃないか！」
「いや…そんなに話す事でもないかと思ってな」
「No！酷いよマーク！これは重要過ぎる事だよ！！」
彼らのやりとりに思わず笑いが込み上げてしまう。
本当に二人とも仲が良いんだなぁ…
「お、笑ったyouもとってもキュートだね！」
「え！そっそんな事は…っ」
「…おい、人の彼女を口説くな」
不機嫌な様子のマークにグイッと腕を引かれて抱き寄せられた。
突然近くなった彼との距離に心臓が煩くなっていく。
恥ずかしい…けど、嬉しさの方が大きいかな…
「マークは嫉妬深いな〜。これから先が思いやられるよ…」
「余計なお世話だ」
「あはは…」
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月20日 7時
