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そしてナイツオブクイーンの試合に見事勝利した次の日。
私はマークと約束した通りにアメリカエリアの公園に来ていた。
まだ時間帯が早いからか、公園には誰もいない。
「A！」
そこへ私の名前を呼ぶ一人の男の子。
ジャージ姿のマークが片手を上げて駆け寄って来る。
「来てくれたんだな。嬉しいよ」
「当たり前だよ。だって約束したんだもの」
「はは、そうだったな」
そんな他愛のない会話を少しだけ交わすと、彼は昨日見せたような真剣な表情に変わる。
「A…今日来てもらったのは、伝えたい事があるからなんだ」
「伝えたい、事…？」
その真剣さからマークがどれだけの覚悟をして、伝えてくれようとしているのかがよく分かる。
目を逸らす事なんか出来ない程に。
「はっきり言うよ。俺……俺は、Aが好きなんだ。初めて君に出会ったあの時から、ずっと」
思わず耳を疑った。
まさか告白されるなんて思ってもみなかったから…
「今は同じこの島に居るが、この大会が終われば離ればなれになってしまうだろう。だが…俺は諦めたくない。もしAも俺と同じ気持ちなら…俺と付き合ってくれないか」
ドクン、と大きく胸が高鳴った。
まるで心臓を射抜かれてしまったかのような感覚。
マークに出せる答えはもう最初から…決まっている。
「マーク…ありがとう。すごく嬉しいよ…私もマークに助けられたあの日から、ずっと貴方が好きだった。だから…こちらこそよろしくお願いします…！」
「！A！」
その場でマークに勢いよく抱き締められた。
私も彼の背中に腕を回して、お互いの存在を確かめ合うかのように力を込める。
彼の胸の鼓動が伝わってくる…きっと私のも聞こえてしまっているだろう。
でも、それでいい。
こんなにも嬉しくてドキドキしてるんだって、伝わる一番の方法はきっとこれだと思うから。
「俺達は生まれた国も所属するチームも違う…だが、たまにはこうしてライバルだという事を忘れて会ってくれるか？」
「もちろんだよ。私も貴方に会いたいから…時間が出来たら、会いにくるね」
「俺もそうするよ。改めて、これからよろしくな」
目が合えばお互いに笑い合う。
温かくてすごく幸せな気分…好きな人と想いが通じ合うなんて、本当に夢みたい。
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月20日 7時
