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そして走る事数分後…
「あ、居た！」
「やっぱりここにいたんだ…」
私達が着いたのはよくみんなが練習で使うグラウンド。
そこにはゴールの前に立つ円堂君の姿が見える。
それから他にも誰かいるみたいで、円堂君以外の四人がサッカーをしているみたいだった。
「！あの人…」
その中の一人に見知った姿を見つけた。
マークだ…！
どうして彼もこんなところに…
彼の姿を認識した途端、また胸の高鳴りが始まる。
サッカーをしている彼を見るのは初めてだ。
彼の顔はとても生き生きとしていて、輝いて見える。
心の底からサッカーを楽しんでいる人の顔。
「ああーっ！忘れてたー！！」
急に隣に座っていた秋ちゃんが大声を出しながら立ち上がった。
何事かと思ったけれど、彼女のドレス姿を見て思い出す。
そっそうだった、パーティー…！
するとサッカーをしていた彼らがこちらに視線を向けた。
どうやら円堂君もやっと思い出したのか、こちらに慌てて走って来る。
「早く早くー！みんなもう行っちゃってるのよー！！」
「悪い秋、A！」
「！A！？」
すると一人の男の子…マークが驚いた顔で駆け寄って来た。
「あ…マーク。こんばんは」
「こんばんは…って、その格好は一体…」
私は今日のパーティーの事を説明した。
彼は納得したような様子だけれど、どこかまだ気になっているような…
「そうだったのか。だからドレスを…」
「おーい、A！先行っちゃうぞー！」
「早くしないと遅れちゃうわよー！」
既に円堂君と秋ちゃんが会場への道を小走りしている。
「あ、うん！ごめんね、もう行かなきゃ…」
「待ってくれ。そのヒールで走れるのか？」
円堂君達を追い掛けようと走り出そうとした途端、マークに腕を掴まれた。
彼の目は私の足元に向けられていて。
言われてみれば、普段慣れないヒールをここまで履いて走って来たんだ。
足は結構痛みでジンジンしていて、正直立っているのも辛い。
それをマークは見抜いたって事…？
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月20日 7時
