君と繋いだ手の先へ番外編【イナイレ】 (ページ11)

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君を好きな僕ページ11

※マーク視点

「マーク、最近絶好調だよな〜！」

今日も次の試合に向け練習に汗を流す。
そんな休憩時間になった時、ディランがタオルを首にかけながら何やら楽しげに声を掛けてきた。

「そうか？」
「ああ。今までよりさらにパワーアップしてるって感じだ。何か良い事でもあったのかい？」

良い事…その言葉で脳裏に浮かぶのは、最近出会った彼女の姿。
偶然俺が通りかかったところに彼女…Aが男にナンパされているのを助けたのがきっかけだ。
まだ出会って1週間も経っていないが、その間は彼女の事を考えない日などなかった。

「お、その感じは何かあったんだね？meにも教えてくれよ！」

肩に腕を回されて白状するように促されるが、俺は笑ってそれを上手くかわす。

別にAの事を話したくない訳ではない。
話そうと思えば、どれだけでも語っていられる自信がある。
出会った日の事、朝に何度か会えた事、ドレス姿の彼女を会場まで送り届けた事…
まだ数える程しか思い出は無いが、その数少ない思い出だけでも俺の口は閉じられなくなるだろう。

だが…今はまだ、Aの存在は自分の中だけに秘めていたかったんだ。