僕らは出来ない

製造ナンバー・NO.37 ページ7

「あっははは！！楽しーよ！ナズナも一緒に遊ぼう！」

「…えー、疲れるし……体力ない」


ぶー、と頬を膨らませる少女。余程ナズナと遊びたかったのか数秒間睨み続ける。


「回ってるだけで何が楽しいの…」

「遠心力！あはは腕取れそー！あと空飛べそーだよ！！」

ここまで過度な運動をしているが少女が息切れ、鼓動が煩くなる、などの症状が出てくることはない。


「止めときなよ…そろそろ死ぬ」

「僕は、生物的にはもう死んでるよー！」



少女の名はミナ
製造ナンバー、NO.37


ミナには心拍という概念が存在しない。


「まーいいや！！！今度はコヨミのとこ行こー！！」

「あ…ロミにだけは声かけないように」

「ええ〜！！？どうしてさ！！」



鼻歌交じりのスキップで、ミナは軽々と廊下を駆けていく。実質、無限体力の彼女には疲れがない。だが、怪我をすれば痛いし、風邪を引けば咳が出る。






「あ！！ロミー！！」

「は？うっせーなミナ、黙れ。んで消えろ、殺す」

「あっはー！！酷いなぁ〜！！？」

「黙れって言ってんのが聞こえねーのか大声野郎！」


どんな悪口、暴言を吐かれてもミナは１ｍｍも落ち込んだ様子を見せない。


それは、ミナの心は何があろうとも変化しないからだ。



ミナは心臓が動かない、精神状態が一定。
つまり、心が動かないのだ。



「やっとコヨミ見つけたよー！！聞いて聞いて！ロミったらまたイライラしちゃってさー！！」


「……」

コヨミは大体ミナのせいだとは思ったが、口に出すことは勿論なく、伝えようともしなかった。




・・・・・・

NO.37 ミナ 心が動かない
〈データ〉
身長 １６０ｃｍ
体重 ４６ｋｇ
性格 ハイテンション
好物 嫌いな物はない
年齢 １５歳くらい
備考 【失敗作】のムードメーカー
悩み みんなのノリが悪い

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