大驚失色 ページ32
「もートコナツこっちじゃないでしょ!」
「は?ココナツこそそっちじゃないでしょ」
「だからあちきに任せた方がいいんだって!」
「ぁ…ぁたし…」
そろそろ本気で喧嘩を始めそうな四人の後ろに黙ってついていくのは、来客五名だ。
仲が良いのか悪いのか、この光景を来客たちは見覚えがあった。
「地図とかないんですか?それさえあれば自分たちはなんとかできそうではあるんですが」
「でもここの構図はかなり入り組んでるね…曲がり角も多いし、誰か迷っちゃいそう」
ムクとヤイチが通常通りに分析し始める。この異常な光景は異常でありつつも正常であった。
「何言ってるのか分かんないよー!みんな話難しすぎ!」
「ウチもよく分かってないけど…ミナは理解する気がまずないよね?」
ほら、やっぱりこの会話も正常。
ただ、正常は続けば続くほど、異常に気付きにくくなるものである。
集団で同じことをしていれば、それが正しいと思い始めるものだ。
「誰が案内した方がいいと思うナズナちゃん!?…ナズナちゃん?」
「他人に意見を求めるのはずるい!って、どした、ほんとに」
「ナズナ…どこいった!!!??」
ヒトハのその一声で全員が後ろを見る。
…しかし、そこに深い青の髪をした盲目の少女、ナズナはいなかった。
,
,
「!!?…誰……」
何者かに追いかけられている。
そのひたひたとした足音は私を恐怖に陥らせるのに十分すぎた。
ぺた……ぺた……ぺた……
曲がり角を曲がっても、部屋に入っても追跡者が私を見失う事はない。
「…った」
前方不注意__前方など見えていないが__で壁に頭をぶつけてしまった。
「やっと、見つけた」
その冷酷でやる気のなさがにじみ出ている声に、聞き覚えはなかった__あるはずなどなかった。
冷たい声の人物は私の腕を力強く握る。抵抗したが、振り切れる力じゃない。
「どこに行ったのかと思ってた。今まで見てたのに、急に離ればなれになっちゃって、行動する班を決めちゃうなんて…ムクってなんで行動力だけはあるんだろう?」
「は、離して…よ……」
恐れで声が震える。
それにしても、コイツは何故ムクのことを、私のことを知っているんだ。
「ほら、早く行こう」
そして私はこの不思議な少女に攫われる。
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真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» いえいえ、そんな…!あなたのコメントは消さずに残しておきます。 (2018年9月19日 16時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 真裏さん» そんなに暗い感じにさせてしまってすみません!ただ、気を付けて欲しかっただけなんです。ご丁寧に返信していただき、ありがとうございました。なお、私のコメントは消していただいても構いません! (2018年9月5日 19時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» ご指摘ありがとうございます。配慮が至らなかった点については申し訳ないです。今後はこういったことが起こらないように注意していきます。 (2018年9月5日 19時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 失礼します。この作品の説明欄に「ヒロアカ」という単語があります。オリフラが立っているので、「ヒ〇アカ」などとぼかすか、その部分を消したりした方が良いかと…。 (2018年9月5日 17時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - ありがとう!ボケボケの記憶を頼りに青で描きましたぜ! (2018年1月23日 19時) (レス) id: c8bcc7c146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真裏 | 作成日時:2017年10月8日 1時