僕らは出来ない

ふんわりなかよしさん ページ19

「遅くなってごめんね大家族さんたち！この人たちなら結構役に立つ筈だよ！」


チトがそういって連れてきたのは、なんともおっとりしていそうな三人だった。



「あ！やっぱナズナいるし…！！」


「！？この声……まさかナナミ…！！！！？？」


ミナに似た髪色をしていて、かなり柔らかい声をしているナナミはナズナを見て驚いた。

それにしても他の第三棟からきた【失敗作】たちは、こんなに声がはっきりしているナズナを見るのは初めてだ、という顔をしていた。



「おお…ヤイチじゃん……あ、これでも一応テンション上がってるからね」


「わぁ！トオコだ！懐かしいな〜！！もう何か月会ってないのかわかんないよ」


超人レベルに低血圧なトオコは瞳孔を少し開いて喜びを表した。

それを見たヤイチは、普段からどちらかと言われば笑顔だが、それ以上に顔を綻ばせて楽しそうだ。



「ミナ久しぶり！」


「ん〜？？あっ、ミヤじゃーん！」


真綿で包んだような雰囲気にあるこの第八棟の中でもかなり常識人に区別させられるミヤも、この瞬間ばかりは走ってミナに抱きついた。

ミナは今の状況をあまり理解していないのか、他の人に比べると反応は薄めだ。




「さぁーって、演者も集まったことだし、手分けして情報を探し出そう！第三棟はセキュリティーが働いてるって聞いたことがあるけど、案外あっさり抜けた君たちならなんとかなるし！」


「そうですね……自分も正直、手こずると思っていました。」


「レナ…って、頭良かったって噂だよ〜。もう君のことだから役割は決めてあるんでしょ？」


「あ、ああ…一応だけどな。というか、頭良いのは俺だけじゃねーよ？」







そしてそれから、

戦闘要員組(レナ、ロミ)にはトオコが

考察班(ミナ、ムク、ヤイチ、ナズナ、ヒトハ)にはミヤが

隠密行動班(コヨミ、ミコト)にはナナミが入り、それぞれ情報を探すこととなった。

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