僕らは出来ない

製造ナンバー・NO.07 ページ4

「あいつらは俺がいないとダメなんかな…？」

少女は長い長い廊下を無限に錯覚しながら歩き続けた。

「てかこの廊下長過ぎ…あのハゲ無駄に作ったな……どうせなら俺たちの費用として使って欲しかったよ。あれ、最近独り言多くなった…ってこれも独り言か」


他の姉妹が聞いたらうんざりしそうなくらいぶつぶつと呟く。考えるのが好きなのか、早く結論を出したいのか。恐らくは後者だろう。


「もうマジ疲れた…早く食堂着かないかなぁ。体感的にはあと３０ｍかな……俺の腹が泣き喚いてる」



この研究所では無数と呼べる程の【失敗作】が毎日毎日作られている。その為、棟は複数もあり、その大きさと言えば、常人では考えられないレベルであった。

ようやく、ここの角を曲がれば食堂、というところまで辿りついた。



「はぁ〜…もっとコンパクトに作れよ…頭悪いなぁ！んまぁ、そのお陰で部屋が広いからその分は快適なんだけどさ」


少女の名はレナ
製造ナンバー、NO.07

首には、まるで首吊りをしようとしたんじゃないかと勘違いされるような、黒い包帯がぐるぐると巻きつけてあった。


「ちょっとレナ？そこで止まられると入れないんだけど…」

「え？あ、ごめんごめん！…って、聞こえないのか」


レナは背後に立っているものに気付きにくい。なぜなら


「…っだぁ！なんでハゲ達は首を動かせなくして作るかなぁ…これくらい頑張れよ！俺、めちゃ不便なんだよなぁ」


レナは振り返れない。




「…あれ！？聞こえてないの！！？ちょーっとレナさーん？」

「……っやべ」

レナは手と仕草でごめん、と表現し食堂へ入っていった。






・・・・・・

NO.07 レナ 振り返れない
〈データ〉
身長 １６５ｃｍ
体重 ５１ｋｇ
性格 リーダー
好物 全部
年齢 １８歳くらい
備考 【失敗作】たちのお姉さん
悩み みんなが言うこと聞いてくれない

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