【実/況/者】ぱられる2【短編集】 (ページ2)

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雪@eoh ページ2

…えお
eどうしたの

えおの家に来た私は、えおの服をぎゅっとにぎる。
温かく、ほっとする。

……温かいね、私と全然違う。
私が雪なら、えおは晴れだ。
e…はは、逆でしょ。

にこっ、と笑うえお。
そろそろえおも、『大切な人』と恋人という関係になって、
私のもとを去ってしまうのではないか。

えおの服をもっと強めに握る。
えおは何でもわかるんだろう。
私の顔を覗きこむ。

eどうした？なんかあったか？…

私の馬鹿。
えおに心配をかけてしまっている。

…なんでもないの。

手をぱっと離すと、えおは手を重ねてきてくれる。
なんで、そういうことするの？
私の事、好きでもないのにこんなことしていいの？
こういうこと、大切な人にするんじゃないの？

頭の中でぐるぐると廻る考えに、私は混乱する。
頭をふるふるとふっても、頭から離れない。
眼に涙が溜まる。
そして、溜まりきってしまった涙はもう、おさまりきらないとでもいうように、
私の頬をつたっていく。

eえ、ちょ、A…？
ごめん、えお。気にしないで。

えおの手をふい、と退かす。
私は膝を抱え込んで泣きじゃくる。
えおは私から手を退かされたにも関わらず、背中に手をあてて、さすってくれる。

e…あのね、A。俺、今日告白するんだ。

なんで私に言うの。なんで。

e溜めたお金でさ、指輪買ったんだよ。
……やめ、て、私の前で、その話、しないでよ

えおは、語るのをやめない。

e多分、断られてもおかしくないんだけど。幼馴染みでさ。
…やめ
e…A。

名前を急に呼ばれ、私は黙りこむ。

e…あのね、A…俺ずっと前から思ってた。
この関係でいないと、Aがどっかにいっちゃうんじゃないかって。
でも、やっぱり気持ちに正直にならなきゃって思って。
…A。

俺と、結婚してください。

指輪を差し出される
雪のように透明で綺麗な、ダイヤモンド。
でも、頬が赤いのなんか気にせずに答えた。

…喜んで。

私達は唇を重ねた。

この友達と思っていた関係は。

もうすでに、"恋人"だったのかもしれない。

雪が、止んだ。

雪@eoh dy.雨巫女