𝖯𝗋𝗈𝗅𝗈𝗀𝗎𝖾. ページ1
⠀
『 ( 陣平さん...、? ) 』
大粒の雨が上から降ってくる。
そんなことはどうでも良くて、傘もささずに
人混みをかき分けながら走る
傘の間から見えるくせっ毛
辛くて悲しくて、でもそれ以上に幸せな思い出
その人の腕をぱしっと掴んだ
快斗「 ...えっと、？ 」
目の前の男の子は真っ黒な学ランを着ている
雰囲気は陣平さんに似ていて、顔は新ちゃんにそっくり
快斗「 ってびしょ濡れじゃねーか、！ 」
『 ...わっ 』
その男の子は私の手を掴んで走り出す
繋いだ手から暖かい体温が伝わってきて、安心してなんだか泣きそうになった
＿＿＿
『 ほんとごめんなさい黒羽くん 』
小さく頭を下げる
あの後彼は、私をそのままカフェに連れてきてタオルも貸してくれた
快斗「 んーん、気にすんな！ 」
目の前でチョコレートパフェを頬張る彼は、
黒羽快斗くんと言って江古田高校の2年生で私と同級生だということが分かった
顔は新ちゃんにそっくりだけど、性格は人懐っこくて悪戯好き
私の大好きな陣平さんと新ちゃんの2人に似ているものだからなんだか不思議な気分
快斗「 Aちゃんちょっと見てて 」
three...two...one...
ぽんっと音がしたかと思えば、真っ赤な薔薇が私の手に握られていた
『 わぁ...！！ 』
思わず感嘆の声が漏れる
赤くて綺麗な1本の薔薇と太陽みたいに笑う彼
マジックも全部全部きらきらしていて思わず笑みがこぼれる
快斗「 やっとAちゃん笑ってくれた 」
頬杖をつきながら私の顔を覗き込むように
優しく笑う黒羽くん
きゅっと心臓が音を立てた
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湊(プロフ) - 面白かったです。更新頑張って下さい。 (4月20日 0時) (
レス) id: 080f4a0e49 (このIDを非表示/違反報告)
るるるs - 気長にお待ちしております！ (4月19日 16時) (レス) @page21 id: 7f6b75982b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 小説内の空気感や温度感に一気に惹き込まれてしまいました……夢主ちゃんも可愛らしくてとても素敵な作品でした。更新楽しみにしております (4月18日 0時) (レス) @page1 id: 222013611b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - まってます！ (4月17日 7時) (レス) @page20 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (3月28日 21時) (レス) @page19 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さく | 作成日時：2023年8月24日 2時
