Bubble gum*Daiki.A*

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「んっんー」



伸びながら起きる。
ふとテーブルの上の青い封筒に目をやる。


「夢じゃなかったか。」



ソファーに座って昨日のことを思い出す。
世界で1番好きな人と話して
世界で1番好きな人の笑顔を独り占めして
世界で1番好きな人の助手席に座った私。


何が起きたんだろ。

なんかワクワク感が出ない。
自分のチケットじゃないから？



「うちわ・・・」



迷ったけど



「置いて行こ。」


大ちゃんにもらったチケットで
大ちゃんの事を見れるなんて夢みたい。


17時からの公演。

シャワー浴びて
ちょっと蒸し暑いから
ポニーテールにしてメイクをする。

まだ時間あるし



「チケットのお礼でも買いに行こうかな」


こんなことしたら重いかな？
引かれるかな？

大ちゃんの家知らないけど
もしかしたらうちなんかきたら
めっちゃ遠回りだったかもしれないし
それに
大ちゃんの前でぶっ倒れちゃったし
なんかお礼しなきゃ気が済まないっていうか・・・



「とりあえず行こう」



何にしたらいいんだろ。
無難にピアス？


時計はちょっと重いもんね。
ピアスにしよう。


1人じゃちょっと入りにくいけど
メンズブランドのお店に入る。
ピアスを選んでると



「今、こちらプレゼントに人気なんですよ」


って声をかけられて

「じゃぁこれください」


迷うのもアレだから
人気ナンバーワンのやつにした。



お会計時に


「彼氏さんにプレゼントですか？」


そう聞かれ




「え、あーいや、知り合いへのお礼です」


そう答えた。


買い物を終えると
なかなかいい時間だったので
電車に乗って会場にいく。


昨日と変わらない景色
みんなおしゃれをしていて
自担の団扇を持ってる。


この日のためにチケットを取って
たのしみにしてるみんな。

そんな中私は
自担にもらったチケットで
しかも関係者席なんてずるいよね。



でも
大ちゃんの団扇を持った人を見ると
自然と笑みがこぼれる。


「性格悪いな私」




開演10分前


係員の人に
関係者席の入り口まで案内してもらって
中に入る。


席に着くと
色んな人がいて



「お姉さんは誰の親戚？」


って男の子に話しかけられた。



「ん？あー私は大ちゃんのいとこだよ」


そう嘘をつく。



男の子「そーなんだ！僕は宏太の甥っ子！」



これが
噂の薮くんの甥っ子！？


笑った顔が薮くんに似てる。笑


なんか
私なんかがここにいていいのかな。

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