Bubble gum*Daiki.A*

36 ページ36

・


あのあと私は
本当にツーショットを撮った。
お互いスエットで。私はすっぴんだし
大ちゃんも髪の毛セットしてなくて
同棲中のカップルか！って写真だった。


写真変えてよ


って言われたからその写真を現像して
写真立てに入れた。




「んふふふふふ。やば。」



とにかくその写真を見てはにやけての繰り返しだった。


年明け初の仕事が始まり
一個ずつ現場を片してく。
暦はあっという間に3月になった。

あの日の思い出だけが私を働かせてる。
また大ちゃんやみんなに会えた時に
胸はって仕事頑張ってるって言えるように。



都内の現場の帰りの駅で
改札をくぐろうとすると



「ねえ」


って肩を叩かれて
振り返ると



「え？伊野尾くん？！」



伊野尾「やっぱりAちゃんだった」


メンバー1適当な伊野尾くんがいた。



伊野尾「仕事終わり？ちょっとお茶しよーよ」



「え、あ、はい。」


そう言われて伊野ちゃんの後を付いてく。


お店に入って
伊野ちゃんはコーヒーを
私はカフェオレを頼んだ。



伊野尾「超偶然だね！元気だった？」



「え、あ、はい、」



伊野尾「あの日大丈夫だった？変なことされなかった？なんかされたら言って。俺が大ちゃんボコるから！笑」


そう言う伊野ちゃんが面白くて


「なにもないですよ！笑」




伊野尾「ふーん。笑あれから大ちゃんとは？会った？」


「会ってませんよ！そんな簡単に会える人じゃないんで。笑」



伊野尾「連絡は？してないの？」


そう言う伊野ちゃんに



「え？連絡先知りませんけど？笑」


そういうと



伊野尾「え？！一晩一緒にいたのに連絡先交換してないの？！え？！」


めちゃめちゃ驚く伊野ちゃん。



「え。そうですけど？え？」



伊野尾「いや、その珍しいな。って。」


そう言うと
あ。やばいって顔をして



伊野尾「いや、なんでもないよ。大ちゃんに会ったら連絡先くらい交換しろって言っとくね」


って返されたから



「いや、べつにいいですよ！笑」


って返した。


そのあとは今どこの現場してるの？とか
作業服かっこいいじゃんとか
そんな話をして


じゃまた


ってバイバイをした。



大ちゃんが連絡先交換しないのは珍しいんだ。


伊野ちゃんが言った珍しいって言葉が
ずっと頭の中をぐるぐる回った。


私そういう対象じゃないんだなぁって思った。

37→←35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す