小さな約束 *Daiki.A* (ページ46)

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最後の夏休みは
大貴の仕事が休みの日はほとんど一緒にいた。
泊まったりもしたし
それなりにデートもした。
4人でプールも行ったし花火もした。

ラスト3日。

2時頃携帯に

(窓)

ってメールがきて見てみると
大貴がいた。

「なに、覗き？」

有岡「お前そればっか！笑

かき氷食い行こ」

「行く！ちょっと待ってて！

5分後に玄関ねっ！」

と窓を閉めて
着替えて準備をする。

5分後に外に出ると
キャップを被った大貴がいた。

「私がメール気づかなかったら

ただの変態だからね。」

有岡「あ。たしかに。

でも、気づくと思ったから」

「なにそれ。笑」

有岡「テレパシー？笑

早く行こ」

「うんっ！」

通い慣れた駄菓子屋さん。
おばちゃんとももう顔見知りというか
知り合いみたいなもん。

有岡「かき氷二つ～」

シロップを言わなくても
イチゴとブルーハワイが出てくる。

お店のベンチに座って食べる。

有岡「んっめぇー！」

「あぁー。やっぱり外で食べる

かき氷は違うよねぇ～」

2人で作って食べるかき氷も好きだけど
外でこうして2人で食べるかき氷も好き。

ギラギラ照りつける太陽の下
大貴と2人で食べた最後のかき氷だった。

9月1日がきた。

「やばい寝坊っ！」

もうダッシュで支度する。
最近は窓で会話するのが私たちの日常だった。

朝窓を開けて
後から開けた方が声をかける。

「大貴っ！」

そう声をかけると

有岡「遅い。」

「ごめんっ！今いっそいで準備するっ！」

準備しながら大貴と会話する。
ランドセルに宿題と筆箱と連絡帳をぶち込む。
毎日こうして朝から会話することが
私は大好きだった。

「よし！終わった！」

有岡「おけーい。

じゃ俺、ジュース飲んだらでるね」

「うんっ！」

もうダッシュで下に降りて
顔を洗って歯を磨いて
ジュースを一気飲みして

「行ってきます！」

と家を出た。

有岡「初日早々寝坊ですか。」

「うるさいっ！笑」

学校まで歩く。
通い慣れた通学路を
毎日一緒に隣を歩く。

あたりまえはいつまでも
あたりまえじゃない。