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「ただいまー」


大貴ん家から帰宅すると
リビングに浮かない顔をしたママとパパがいた。



「なに、どーしたの?」



父「ちょっと大事な話があるんだ。
そこに座って」


「うん。なに?」


ガラーッと椅子を引いて座る。


父「パパね転勤になるんだ」


「そーなんだぁ。どこ?」


父「神奈川」



「え?」



母「時期はAが小学校卒業してから
なんだけどね。」



「え、ちょっとまって。」



じゃぁ引っ越すってこと?
大貴とは?
離ればなれになるってこと?



「やだ!大貴と離れちゃう!」



母「でも、仕方ないの。」



「私は絶対に嫌だから!」


その言葉だけ残して
部屋を出た。

そのままサンダルを履いて
外に出て
隣の家のチャイムを鳴らす。



有岡「どした?」




「大貴っ!」


やだよ。
大貴と離れるなんて。




有岡「なに。とりあえず上がって」



有岡母「どうしたの?」



有岡「わかんない」





大貴の部屋にいく。



「パパ転勤が決まったの。」



有岡「え?」



「だから大貴のそばにいれなくなっちゃう」



やだとは言ったけど
まだ1人で生きていけないし
両親と行くしかないことは
11歳のわたしにもわかってた。




有岡「それ、いつ?」



「卒業の後」



有岡「そっか。1年ちょっとか。」




「やだよ。」



涙が溢れて止まらない。



有岡「俺も嫌だよ。」


抱きしめあった。



まだ11歳の私達にはどうする事も出来ない
現実だった。


おばさんが電話をしてくれて
大貴の家に泊まることになった。


同じ布団。
大貴の隣。
大貴の体温。
大貴の匂い。

離れたくないよ。

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作者名:まりちゃむ | 作成日時:2018年8月27日 0時

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