アヒルさん大成功です (ページ9)

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「Aちゃん何言ってんのよ！？そんなの私が許しません。」

私の整形宣言の後甲高い声でヒステリックに言った母親の声を無視して私はまた部屋に戻って急いで荷物をまとめた。

「さようなら、私」

足早に家を出て駅まで走っていた私を両親は何故だか追いかけて来ようとはしなかった。

行くあてもないまま電車に乗り、電車の窓からホテル街が見えた私は駅を降りて取り敢えず今日は何処かに泊まろうと全財産26000円を握りしめ初めてのラブホテルの入り口を探していた

その時、後ろから

「君、家出したの？」

おじさんの声が私に向けて発せられたのとわかったのは少し経ってからだった。

私は振り返って
暗くて顔は見えなかったそのおじさんに無言で頷いた。

「そう…泊まるところあるの？」

こんな容姿なのに何故私に声をかけてきたのだろうと頭をフル回転していたら

「ウチくる？」

と、見知らぬ彼に言われた。

気づいたら私はタワーマンションの最上階でお茶を飲んでいた。

「ここ、僕の家なんだけどあまり来る事ないから君が代わりに住んでいいよ」

思ってもいない彼の発言にえっと身体の何処から出たのか分からないような声を出した。

「でも、一個条件がある」

思わず唾を飲み込み、彼を見つめた。

「君の人生、僕に頂戴」