やっと ページ27
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ミヤがさり気なく代わってくれて、涙がこぼれた。
あのお客様からは女はダメだなって言われるし、
別に持てたもん。
AM.2:00、30分の休憩に入った。
考えるのはさっきのこと。
どうしてミヤ助けてくれたんだろう
休憩室に行く気にもなれず、一般のお客様がまばらにいるロビーでぼーっと考えた。
「Aちゃん！」
ん？この声って……
振り向くと今市さんがいた。
「え……、どうしてここに！？しかもこんな時間に！」
「へへっ、仕事終わるの遅くて、明日話があるって言ったじゃん？なんか気になっちゃって笑
べつに今話したくなかったら夜でもいいよ！」
「って、え？Aちゃんどうしたの？」
涙が止まらなかった。
今市さんの優しい笑顔を見たら、我慢してた涙が溢れて来た。
「ええ！なんで泣いてるの？えっと、どうしよう……。」
焦る今市さん、目立つな……。
とりあえず泣きながら今市さんの服をひっぱって目立たない柱の陰に移動した。
「あの、自分でもわからないんです…。なんで泣いてるのか。」
いや、本当はわかってる。
グランドスタッフには変わりないのに、ミヤにもお客様にも女だからって言われたような気がして
男女差別ってやつだよね。
そりゃ、重かったけど、意地でも運びたかった。
あのお客様に笑顔でご出発してほしかった。
「ん……、泣いていいよ。」
ほらね、彼はこうやって優しく抱きしめてくれる
仕事終わりで疲れてるはずなのに
わたしのSOSが聞こえたのかな
エスパーみたいにやって来てくれて
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「隆二さん、」
「へ？」
ずっとこう呼びたかった。
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「隆二さん、まだ私のこと好きですか？」
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「…………うん、好きだよ。」
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「私、隆二さんのことが好きです。」
今市さんの胸から顔を上げて目を見て伝えた。
きっと私の顔涙でメイクがぐしゃぐしゃだろうなあ
「ありがとう、俺もだよ。」
わたしの大好きな笑顔で彼は答えてくれた。
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作者名：コロイド | 作成日時：2018年3月28日 5時
