マリオネット Daiki.A 【HPB企画】

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結構濡れたな、って雫のついた服を払う。


涼介「風呂入るだろ。」


ぎゅっと握りしめたままの携帯を見つめるAがハッとしたように顔を上げて机に置く。


この後に及んでまだあいつからの連絡を待ってる。

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A「ああ…ありがと。でも涼介先に……」


涼介「いつまで待つ気？」


A「…え…」


男はみんな馬鹿だから他も試してみたくなる。

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俺はずっと。


お前しか要らないと思って生きてきた。


今もずっと。


涼介「俺はA以外は要らない。」

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沈黙を破る電話の音が静かな部屋に響く。


Aが取るより先に携帯に伸ばす腕を掴んで引き寄せて。


色付いた頰に指を滑らして。撫でた髪に指を通して。後頭部に手を回して抱き寄せて。息つく暇もないほどその口をキスで塞いで。

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涼介「…アイツは忘れろよ。」


ピーーーー、と携帯が留守電に切り替わる。


A「…っ…涼介、……っ！」


するり、と差し込んだ舌で歯列を辿る。

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『あ、A？！…ごめん。急な集まりで連絡し忘れた。ほんとごめん。……今どこにいる？迎え行くからこれ聞いたら……』


着ていたTシャツがクシャ、と皺を作った。


首を傾けて撹拌した口内の奥で舌が絡まる。


濡れた瞳と唇は嘘がつけない。

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……あーあ。折角貸してあげたのに。


大事にしないなら最初から貸さなきゃよかったな。


そろそろ返してもらおうか。



君は俺の……

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