マリオネット Daiki.A 【HPB企画】

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宏太「よし！大体自己紹介終わったな。」


辺りを見渡す先生にここだけまだですが、と心の中で返事した。


ピン、と背筋を立てて座る彼女。


固く結んだ口は未だ開かれない。

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じーっと見ても視線を感じとらないのか、

先生だけを見ているし。


まじで人形みたいだな。


...人形みたいに綺麗な顔してる。

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薄茶色の色素が薄めな髪の毛は細く、

風に靡くとさらさらと肩から落ちて。


真っ白い肌に影を落とすほどの睫。


血色のいい唇は全然動かないけど。


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日本人形よりフランス人形。


この子、ハーフとかじゃないよな？


まだ真正面からしっかり顔は見てないからわかんないけど。


宏太「これ、大事な書類だから名前書くように。」

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前から回された封筒に名前を書く。


そうだ。名前さえも教えてくれなかったな。


宏太「じゃあ後ろから集めて。」


有岡大貴と書いた封筒を回収される。

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回収したやつに当たったのか隣から、コツン、と落ちたペン。


足元に転がったペンを拾い上げて、机の上に置く。


少し頭を下げたようにも見えた彼女の机の上。


波戸、A。

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やっと知れた名前に少しだけ嬉しくなった。


別にキラキラネーム的な恥ずかしい名前でもないし何をそんなに黙っているのかはわからないけど。


「これ、もう集めていい？」


A「.....。」

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誰にも返事しないんだ。


極度な人見知りとか。...まあなくはない。


宏太「じゃあ、最初のLTはこれで終わり。」


先生が教室を出て行って帰り支度をする。

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皆が立つ中、ひとりぽつんと座ったまま。


伊野ちゃんにこの後どうする？なんて話しながら鞄を肩にかける。


帰らないのかな。なんて思ってた矢先。


「A。」

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A「りょう、すけ...」


ドアに背を預けながら立っている美少年。


振り返った彼女がガタン、と席から立つ音。


大貴「喋った...」

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少し走りながらドアまで向かう後姿に、戸惑いと切なさを感じたのは何故だろう。

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