29 R ページ29
窓の外が光った。
ムカつくほどの晴天だったくせに、夕立が襲う。
膳立てをしてるはずのAがいない。
そんな報告どうでもよかったが、まだ帰ってないことが気がかりだった。
・
・
・
・
あんだけ晴れていれば傘なんて持ってないだろう。
濡れたくないから迎えに行くなんてことはしないけど。
一向に止みそうもない雨に、ところどころ稲妻が走る。
涼介「雷...」
・
・
・
・
「は？雷怖いの？ビビリだな。」
「だって...おへそ取られちゃうんだよ？」
「ばかじゃねえの。そんなん嘘に決まってんだろ。」
ピカ、と光った雷がどこかに落ちた。
"パパ"と泣きながら震える小さな肩を、
鈍臭くて面倒だと思ってたAを、
・
・
・
・
「すっごい音だったわね。...近いんじゃない？」
凄まじい音に我に返った。
...何思い出してんだか。
部屋に戻ろうとしたら、ふっ...と一瞬で真っ暗になった。
・
・
・
・
涼介「...停電？」
バタバタとブレーカーを上げに走る音に混じった微かな音。
涼介「外からなんか聞こえない？」
「え？いや...なにも...」
・
・
・
・
気のせいなわけない。
真っ暗な廊下を突き進んで、大きすぎる玄関の戸を開ける。
涼介「...何してんだよ。」
A「あ...」
・
・
・
・
案の定制服は雨で水浸しなAが鞄を抱えてしゃがみこんでいる。
泣いてたのか...？濡れた頬はどっちかわからないが目が充血していた。
涼介「いいから早く入れよ。」
鈍い音を立てて空が唸る。
・
・
・
・
ビク、と身体を震わせて、固まるAに思わず舌打ちが鳴った。
涼介「...めんどくせえな。」
A「え...？」
冷え切った身体に熱が奪われる。
・
・
・
・
涼介「泣くんじゃねえよ。...俺がいるから。」
抱いた肩は未だ小さい。
音が聞こえないよう塞いだ耳だけ熱を帯びてるのはなんでだよ。
・
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 366人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くみ(プロフ) - 続編読みました！続きが気になりました！笑笑 (2017年5月13日 11時) (携帯から) (
レス) id: 1451811d0c (このIDを非表示/違反報告)
いちごろーるけーき(プロフ) - イン･ザ･ショコラの続きも気になります！ (2017年4月22日 2時) (レス) id: 4e6a510612 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)朱美(プロフ) - とてもおもしろいです! これからも頑張ってください! (2017年4月3日 14時) (レス) id: 023c1ff665 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジガール - （名前）と涼介の関係が気になります！続きが！ (2017年3月29日 11時) (レス) id: 9e5a481331 (このIDを非表示/違反報告)
ま め - めっちゃおもしろいです！続き楽しみにしてます！ (2017年3月27日 10時) (レス) id: f75d9ad653 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あすみ
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時：2017年3月22日 14時
