マリオネット Daiki.A 【HPB企画】

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まさか授業サボるなんてことするとは。


A「誕生日、...だったの？」


大貴「…15日ね。」


A「おめでとう。」

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A「...ごめんね。」


大貴「...何が？」


先生に見つからないように移動した体育館裏。


石段に並んで腰かけて座った。

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A「涼介には、...反抗しないほうがいいよ。私のためだって...わかってるけど。」


大貴「でも...」


A「私はいいけど、大貴はだめだよ。」


俺だって嫌だよ。Aだって言いなりなんかなってほしくねえよ。

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A「私と付き合ったら、めんどくさいことばっかりだから...大貴には傷ついて欲しくない。」


だから？Aの世界は全てアイツで回ってるの？


そこに、俺は少しでも存在してるだろうか。


大貴「普通は...好きな子には頼ってほしいって思うんじゃないかな。少なくとも俺は...そう思う。」

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弱みを曝け出せるのは、信頼した奴にだけでしょ？


だったら俺は、Aのなんなんだよ。


A「迷惑かけたくない。...私のせいで、大貴が苦しむなら、そんなの望まない。

男と女の価値観は違うよ。それは男の...自己満足だよ。」


保身ばっかの自己満足。

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ああ...言われてみればそうかもしれない。


頼ってくれればアイツより立ち位置は上にいた気になれて、


一番近い存在になれたと、勝手に思い込んで自分で自分を誇るんだろう。


それでも...

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A「...大貴。」


大貴「それでも...アイツのせいで泣くAは見たくない。」


A「大貴、...離して。」


ぎゅう、と壊れないように、消えないように精一杯抱きしめた。

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いつになったらその瞳に俺しかいなくなる？


大貴「俺だけじゃ...だめなのかよ...」


A「...だめじゃないよ...。」


16歳。密かに重ねた口付けを青葉が茂る木陰が隠す。

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