マリオネット Daiki.A 【HPB企画】

18 ページ18

「有岡ー！パス！！」


体育は好きだけど今日はなんか身体も重いしやる気起こんないんだよな。


不思議に思いながらも体育館でバスケの試合をしていた。


真ん中で区切って女子は向こうでバレーボールらしい。

・









・









・









・

Aは...今は休憩なのかコート外の隅っこで壁にもたれて試合を見てる。


体育だからかあの細く長い茶色みを帯びた髪の毛はひとつにくくられていて。


首、ほっせえなぁ...なんて見惚れてる場合じゃなかった。

「あーボール向こう行った！」
「やべ...当たる！」

・









・









・









・

男子の方から聞こえた声。


ボールが女子のコート目掛けて飛んでいく。


試合に夢中で気づいていない。


あのままじゃ...彼女に当たってしまう。

・









・









・









・

「有岡ー！！大丈夫か！？」


バタバタと足音が頭に響く。


ボールをジャンプキャッチしたはいいものの、着地に失敗して足を滑らせて転んだ。


A「あ、の...」

・









・









・









・

不安気に覗き込むAの顔が野郎共の中に混じって。


やべ...意識遠のく...頭ガンガンするし、打ったかな...


大貴「....っ、」


「有岡ー！死ぬな！！」

・









・









・









・

「死ぬわけないじゃない。バカねえ。」


保健室の先生がそんなことを言って、ふわふわと運ばれた記憶からもうない。


大貴「は！！怪我は？！」


ガバ！と起き上がったらカーテンに仕切られた空間。

・









・









・









・

「熱。貴方別に頭打ったわけでもないから。」


カーテンを開けて顔を覗かせた先生。


額からポロ...と湿ったタオルが落ちた。


「ただの熱なのに、心配だからってこの子ずっといたからね。」

・









・









・









・

大貴「え？」


ひょっこり姿を現した揺れる髪の毛は下ろされていた。


「じゃ、会議行って来るからごゆっくり♪」


ひらひらと手を振って保健室を出て行く。

・









・









・









・

熱って...もしかして昨日濡れた服着たから、とか？


大貴「あ、怪我は？！」


ふるふると振った首にホッと安心する。


A「...ありがとう。」

・

・

・

19→←17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す