星が綺麗すぎですね、~月と霞~

第二夜 ページ4

「どうもコンニチハ
ワシこの里の長の鉄地河原鉄珍
よろぴく」

目の前のちっこい老人の目を見て話を聞く。

「里で1番小さくって1番えらいのワシ
まあ畳におでこつくくらいに頭下げたってや」


私は静かに頭を畳につけた。
どんなにちっこくても長は長だ。
少し抵抗はあるが頭を下げた。

「ええ子やな おいでかりんとうあげよう」

「ありがとうございます……！！」

気づいた時には私に一斉に視線が集まっていた。
しまった。かりんとうの性で本性が……

「すいません……」

「まあいい。子供は素直な方が良いよ。
で、蛍なんやけどな今行方不明になっててな
ワシらも探してるから堪忍してな」

「何度聴いても可愛い名前ですね」

「可愛すぎって本人から罵倒されたわ
あの子は小さい時からあんなふうや。
すーぐ癇癪起こしてどっか行きよる」

「すいません……私こんな時に折っちゃって」

そんなことを言うと空気が変わった。

「いや、嬢ちゃんは悪くない。
折れるような鈍を作ったあの子が悪いのや」




「はい……」

「見つけ次第、取り押さえて連れて参りますので
ご安心ください！」


「まあ嬢ちゃんが退屈し始めたら
別の者を嬢ちゃんの刀鍛冶にする
うちの里でゆっくり過ごしてや。
退屈し始めたら言うてな……」

「はい……」

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