五十話 ページ4
A視点
来てしまったこの日…
夢であってほしいと何度も思った。
目が覚めれば当たり前の日常が広がっていてほしいと…
だけどそれは叶わない願い＿＿＿
メ「美しいですお嬢様。」
メ「流石優馬様が選んだ方。よくお似合いですよ。」
そんな言葉、欲しくもない。
美しいだの、お似合いだの、今の私にとってみればお世辞以上にいらない言葉。
彼に言われたらどれだけ嬉しいだろう…
きっと天にも登るくらい嬉しい気持ちになる。
そんなことを夢見ていたが、現実は甘くない。
今日、私は紅 Aとなってしまう。
望みもしない結婚をしてしまう。
メ「お嬢様、いかがです？」
鏡に映される自分の姿。
真っ白なウエディングドレスに身を包み、慣れない化粧で綺麗になっている。
普通の女の人は嬉しいかもしれない。
でもこんな薄っぺらな愛情に、何の感情も抱かなくなった。
すると
優「入るよA？」
ｶﾞﾁｬ
紅さんがやってきた。
優「流石僕の見込んだ人。綺麗だよ。」
にこやかと笑う彼。
何故そんな作り笑いを浮かべられるのか。
今更気になったことがあった。
彼の私に対する気持ちは確かに異常だ。
だけど、冷たく接するたび、少しずつ歪めるその表情は、まるで愛を知らない小さな赤ん坊のようだった。
優「今日君は僕の奥さんになる。これから、幸せな家庭を築くんだ。」
一言も発さない私。
ほらまた…
この人は苦しそうに顔を歪めた。
優「っ、もうすぐ式が始まる。心の準備をしておいて？あ、バージンロードを歩く時は君のお父さんが歩いてくれるから安心してね。」
…お父さん…？
私はその単語に嫌悪感を抱いた。
私を捨てた、私に愛をくれなかった、憎い親。
その人が、私の隣を歩く…？
今すぐここを逃げ出したい。
だけど上手く足が動かない。
口元も震えて声が出なかった。
その時
ｺﾝｺﾝ
？「入ってもいいかな？」
ノックと共に背筋がゾクリとする声が聞こえた。
ｶﾞﾁｬ
扉の先には
姫父「あぁ、さすが俺の娘だ。よく似合ってるよ。」
姫母「何を言うの。私の子だからよ？」
一番会いたくない、両親の姿があった＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まりん(プロフ) - 遊星さん» コメントありがとうございます！とてもいいご意見感謝致します！考えてみます！ (2020年3月20日 0時) (
レス) id: dd6a692f43 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - この話のイナズマイレブンGO編を書いてみては、いかがですか？ (2020年3月9日 23時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
まなぽん - 続きの話楽しみに待ってます♪ (2018年7月1日 21時) (レス) id: c08068ed34 (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - まなぽんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！！ぜひ完結までお付き合いください！！ (2018年7月1日 20時) (レス) id: 7680a40a79 (このIDを非表示/違反報告)
まなぽん - 凄くドキドキが伝わってくるとても良い作品ですね！大好きになりました♪これからも頑張って下さい！応援しています♪ (2018年7月1日 15時) (レス) id: c08068ed34 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まりん | 作者ホームページ：
作成日時：2018年6月19日 18時
