五十七話 ページ11
A視点
私はすべてを話した。
それを聞いた紅さん、一郎太たちは驚いていた。
貴「今だから分かります。貴方が欲しかったのは私じゃない。貴方はただ、大好きな両親からの愛を欲しかっただけ。そして認めてもらいたかった。自分を見て欲しかった。だから努力をした。他の誰よりも、努力して愛を勝ち取りたかった。だけど、両親は貴方を見ることは無かった。仕事ばかり気にして貴方を見ようとしなかった。それが貴方の鎖。貴方を縛っている鎖。貴方はそれが爆発して今回こんな風にしたんだ。誰でもいい。自分に愛情を与えてくれる人が欲しかったから。そして、私を見つけた。私なら自分をわかってくれると思っていたから。」
優「な、んで…何でそんなことまで…！」
貴「貴方は私と同じ…両親からの愛を受けたことのない悲しい人。本当の愛情を知らず、自分の思うがままにしてきた、寂しい人。」
優「っ！うるさいっ！君に僕の何がわかる！知った口を聞くな！」
貴「貴方こそ私のことを知らないでしょう。」
優「！」
そう、彼は私を見ようとしなかった。
私の中にいる…幼い頃の私を見ていた。
貴「もう、貴方の望む姫寺Aはいない。私は、どんなことがあろうと、風丸Aで居続けます。私を見てくれる、私に愛をくれる人を見つけたから。」
私は一郎太を見る。
貴「一生を共にしたい人が、ここにいるから…」
風「A…」
そして
ｶﾗﾝｶﾗｯ…
優「僕は…」
紅さんはナイフを落とし、膝をついた。
優「僕は、何もかも、間違ってたのか…？」
貴「紅さん…」
優「君の言う通り…両親は僕を見てくれなかった…毎日仕事に追われて、一緒に遊んでくれることもなくて…でも、財閥の御曹司として勉強する時だけ一緒にいてくれた…その時は嬉しかったんだ…だけどやっぱり出来が悪いと何度も叩かれて…その時に思ったんだ…この人達は僕を見てはくれない。僕を見てくれる人が欲しい…そんな時だった…11年ぶりに君に出会ったんだ。」
彼は私を見てふと思ったという。
私なら自分を見てくれる、愛してくれると。
それが暴走し、こうなってしまったと＿＿＿
優「心の底ではダメだと分かっていたのに、どうしても止められなかった…君の大切な人を傷つけ、涙を流させててまでこんなことしたくなかったんだ…本当に、すまない…」
紅さんは涙を流した。
それはとても透き通って、綺麗な涙だった＿＿＿
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まりん(プロフ) - 遊星さん» コメントありがとうございます！とてもいいご意見感謝致します！考えてみます！ (2020年3月20日 0時) (
レス) id: dd6a692f43 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - この話のイナズマイレブンGO編を書いてみては、いかがですか？ (2020年3月9日 23時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
まなぽん - 続きの話楽しみに待ってます♪ (2018年7月1日 21時) (レス) id: c08068ed34 (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - まなぽんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！！ぜひ完結までお付き合いください！！ (2018年7月1日 20時) (レス) id: 7680a40a79 (このIDを非表示/違反報告)
まなぽん - 凄くドキドキが伝わってくるとても良い作品ですね！大好きになりました♪これからも頑張って下さい！応援しています♪ (2018年7月1日 15時) (レス) id: c08068ed34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりん | 作者ホームページ：
作成日時：2018年6月19日 18時
