★降り注ぐアクシデント ページ40
「お〜い、茉優〜！」
茉優ちゃんのCM撮影が終わり、スタジオのエントランスで
ミレイと陽夏ちゃんを待っている私たち。
そこに陽夏ちゃんの声が響いて、私と茉優ちゃんは
同時に背後を振り返った。
遠目でもわかる、ぶんぶん振られた陽夏ちゃんの両手。
もちろんその隣には、サイドテールを揺らすミレイもいる。
「時間通りね」
２人が私たちに近づくと、茉優ちゃんは腕時計を指した。
「あったりまえだよ！ 茉優こそ速いじゃん」
陽夏ちゃんは胸を張った後、少し悔しそうにそう付け足す。
そして意地悪な笑みを浮かべてミレイを見た。
「ちょっとね〜。大事なお話をしてまして」
「待ってください陽夏ちゃん！その話誰にも言わないって
さっき約束したばっかりですよね？！」
陽夏ちゃんの言葉に、ミレイは目を泳がせて
アワアワと挙動不審な動きをする。
わかりやすく慌てたミレイに、茉優ちゃんが
なるほどね、と意味深な笑顔を見せた。
「そういうことね。上手くいくといいわね」
流れるような動作でウィンクして、
茉優ちゃんはミレイの肩に両手を置く。
ミレイはその言葉で、なぜだか見る見るうちに
トマトか茹で蛸のように赤くなった。
「気づいてるんならからかわないでください！」
真っ赤な顔のままツン、とそっぽを向いたミレイに、
クスクス笑いが隠せない様子の２人の先輩。
私だけ状況が全く理解出来ない……。
これってもしかして、いやもしかしなくても、
「私、空気何ですけど……」
「いや！カリンは知らなくて大丈夫だから！」
２人の先輩が口を開いて何かを言い掛けるのを、
ミレイが大慌てでさえぎった。
そしてその後、もぞもぞと何かを呟く。
「ごめんなさい、聞き取れなくて……」
「あぁ〜！だから、その内アタシから言うから、
カリンはそれまで気にしなくていいって言ったの！
わかった？ほんっとうに気にしなくていいからね！」
ミレイの勢いに、はい、と引き気味に返事をすると、
ミレイは安心したように息をはく。
何があったのかは分からないけれど、相当重い内容みたいだ。
私は話してくれるまで待つことにして、口を閉じた。
しばらくの間、エントランスに沈黙が流れる。
その沈黙を突き破ったのは、
「あっ大変！雨！」
普段は聞かない、陽夏ちゃんの切羽詰まった声。
私たちは一斉に、窓に視線を向ける。
さっきまで快晴だった空は灰色に変わり、
天から大粒の雫を落としていた。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーアイフレソング♪
新たなるステージへ(I Believe)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茉凜(プロフ) - ルンってきたさん» ありがとうございます〜。受験生なので毎日は無理ですが、細々とマイペースに更新できたらと思っています。もしよろしければ、これからもお付き合いください！ (2019年5月10日 18時) (
レス) id: b85dc48253 (このIDを非表示/違反報告)
ルンってきた - 更新待ってました！これからも頑張ってください！ (2019年5月10日 18時) (レス) id: 5511db2e34 (このIDを非表示/違反報告)
茉凜(プロフ) - みららさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年4月18日 17時) (レス) id: b85dc48253 (このIDを非表示/違反報告)
みらら - 面白いです！ストーリーも素敵です。尊敬します！頑張ってください！ (2019年4月17日 21時) (レス) id: baef1a099d (このIDを非表示/違反報告)
するめちゃん - 茉凜さん» これからも頑張ってください。応援しています！ (2019年4月17日 17時) (レス) id: baef1a099d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茉凜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Marinn4/
作成日時：2019年2月16日 9時
