★未来の自分と過去の自分 ページ30
「着いたー！」
CMの撮影現場へたどり着き、バスを降りた
陽夏ちゃんは大きく背伸びをした。
「ここからは、私と陽夏が別行動だから、
２人にも別行動をしてもらうわ」
同じくバスから降りてきた茉優ちゃんが、柔らかく微笑む。
その言葉にそうそう！と頷いた陽夏ちゃんは、
私たちに目を向けて問いかけてくる。
「カリンちゃんは茉優に、ミレイちゃんは私に、
それぞれ付き添ってもらいたいんだけど、いいかな？」
「はい！よろしくお願いします」
２人のお仕事を見られるのに、断る理由なんてない。
私は間髪を入れずに答えた。大丈夫です、とミレイも続く。
私たちの返事を見て、茉優ちゃんと陽夏ちゃんが頷きあう。
「よろしくね、カリンちゃん。さっ、行きましょうか」
私の方へと歩み寄ってきた茉優ちゃんは
涼やかな目元を微笑ませた。
形の良い艶やかなバラ色に色づいた唇が、
綺麗な孤を描く。化粧品のCMにはぴったりの、
ザ・美人！という顔立ち。
綺麗だなぁ……。見とれかけて、気を取り直した。
まずは撮影現場に行かなくては、と思い出したから。
「はい！まずは楽屋、でしたよね？」
歩きながら尋ねると、茉優ちゃんは糸のように繊細で、
夜のように黒いその髪をかきあげながら頷いた。
白くて長い指から、サラサラと髪がこぼれ落ちる。
「ええ、その通りよ。まだ時間もあるし、
今日はゆっくり準備出来そうだわ」
今日は、という言い方に、普段はもっと急ぐのかな、
という疑問が芽生えて、私は口に出していた。
「いつもは、もっと忙しいんですか？」
「そういうときもあるわ。特に夏になると、
私たちは仕事が増えるから。ピークはこれからね」
ピークは、これから……！尊敬に打ちのめされた私を見て、
茉優ちゃんは明るい笑い声を上げる。
「目、まん丸になってるわよ」
「すごいなって、驚いてしまって」
もっとすごい人はたくさんいるわ、と謙遜した後で、
茉優ちゃんはどこか遠い目をしながら呟いた。
「でも、アイドルになったばかりの私に、
こんなに忙しくしているのよって伝えたら、
カリンちゃんと同じ顔をしていた気がする」
その気持ちは、何となくわかる。
私は茉優ちゃんのようなトップアイドルとはほど遠いけれど。
少し前の私に、未来の私はアイドルになってる、
なんて言っても、信じていないと思うから。
「わかります」
思わず呟いた私を、優しい瞳で茉優ちゃんが振り返った。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーアイフレソング♪
新たなるステージへ(I Believe)
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茉凜(プロフ) - ルンってきたさん» ありがとうございます〜。受験生なので毎日は無理ですが、細々とマイペースに更新できたらと思っています。もしよろしければ、これからもお付き合いください！ (2019年5月10日 18時) (
レス) id: b85dc48253 (このIDを非表示/違反報告)
ルンってきた - 更新待ってました！これからも頑張ってください！ (2019年5月10日 18時) (レス) id: 5511db2e34 (このIDを非表示/違反報告)
茉凜(プロフ) - みららさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年4月18日 17時) (レス) id: b85dc48253 (このIDを非表示/違反報告)
みらら - 面白いです！ストーリーも素敵です。尊敬します！頑張ってください！ (2019年4月17日 21時) (レス) id: baef1a099d (このIDを非表示/違反報告)
するめちゃん - 茉凜さん» これからも頑張ってください。応援しています！ (2019年4月17日 17時) (レス) id: baef1a099d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉凜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Marinn4/
作成日時：2019年2月16日 9時
