★妥協はない ページ21
「これとか、陽夏っぽいんじゃない？」
カメラを覗き込んだ茉優ちゃんが指さすと、
陽夏ちゃんはさすが！と言うように頷いた。
「あ！それはね〜、自信作！
でも、こっちのはちょっと失敗しちゃったかな。
太陽の光をうまく使えてない」
陽夏ちゃんの真剣な視線を追って、
私もカメラを覗き込む。
が、何が失敗なのか全くわからない。
「いいと思いますけど…？」
ハイレベルな会話についていけず、おずおずと
尋ねれば、陽夏ちゃんは頭を振った。
「光、景色、服、そして私自身。
その全てが完璧にカルテットしたら、
誰にでもわかる最高傑作になるんだよ！」
カルテットは…四重奏のこと。
光、景色、服、モデルの四つの要素を、
陽夏ちゃんはカルテットと例えたのだろう。
でも…誰にでもわかる最高傑作って…？
「じゃあさ、これを見て？」
疑問が顔に出ていたのか、陽夏ちゃんは
アイカツモバイルを取り出すと、アルバムを開いた。
そのままある写真をタップして拡大すると、
私とミレイに見えるように差し出しだす。
「これは私が今まで撮影をしてきた中で、
一番の最高傑作だと思ったもの。
イメージが沸かないときは、これを参考にしてるんだ」
パッと見て、驚いた。
服の良さも、背景や小道具の良さも、光も。
そして陽夏ちゃん自身の良さも。
その全てがマッチしていて、まるで写真が
光を放っているかのように、惹きつけられる。
私はまだ、全然カメラやポージングの事はわからなくて。
でも、この写真の良さは、わかる。
そういう事をつたない言葉で伝えると、
陽夏ちゃんは少しはにかんで笑った。
「雑誌を楽しみにしてくれるみんなに、
少しでも良いものを届けたいから。
だから、妥協したくないんだ！」
そう言った陽夏ちゃんは、
カメラマンさんに呼ばれて撮影に戻って行く。
その後ろ姿が、いつも以上に頼もしく、かっこよく思える。
それはミレイも同じだったようで、
「かっこいい…」
と、素直ではないミレイには珍しく、
ストレートなほめ言葉を口にした。
その事に驚きながら、私も同調する。
その後も撮影はつつがなく進行してーー。
カメラマンさんも陽夏ちゃんも納得の、
素敵な写真がたくさん撮れた。
「次は、旅番組の収録ね！」
カメラマンさんたちと別れて、
休む暇もなくバスに乗り込みながら。
もうすっかり目の覚めた茉優ちゃんは、元気よく告げた。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーアイフレソング♪
新たなるステージへ(I Believe)
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茉凜(プロフ) - ルンってきたさん» ありがとうございます〜。受験生なので毎日は無理ですが、細々とマイペースに更新できたらと思っています。もしよろしければ、これからもお付き合いください！ (2019年5月10日 18時) (
レス) id: b85dc48253 (このIDを非表示/違反報告)
ルンってきた - 更新待ってました！これからも頑張ってください！ (2019年5月10日 18時) (レス) id: 5511db2e34 (このIDを非表示/違反報告)
茉凜(プロフ) - みららさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年4月18日 17時) (レス) id: b85dc48253 (このIDを非表示/違反報告)
みらら - 面白いです！ストーリーも素敵です。尊敬します！頑張ってください！ (2019年4月17日 21時) (レス) id: baef1a099d (このIDを非表示/違反報告)
するめちゃん - 茉凜さん» これからも頑張ってください。応援しています！ (2019年4月17日 17時) (レス) id: baef1a099d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉凜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Marinn4/
作成日時：2019年2月16日 9時
