ダイヤモンドの輝き超えて ２

★朝の輝き ページ20

スタジオから歩いて数分、すぐに目的地に到着した。

より返す波が朝の光を反射して、とても眩しい。


「わぁ〜！きれーい！」


スタジオで撮影用のレモンイエローのワンピに着替えた

陽夏ちゃんが、歓声を上げた。


ビーチに着くと、カメラマンさん達が撮影場所を

素早く決めて、細かな打ち合わせを軽く行う。

そして。


「よろしくお願いしま〜す！」


陽夏ちゃんの声をきっかけに、撮影が始まった。


目線流して〜、軽くジャンプしてみようか、

そこでポーズ決めてくれる？

カメラマンさんのどんな要望にも、

陽夏ちゃんはテーマに合わせて完璧に答えていく。


今回の雑誌のテーマは、『真夏のビーチデートコーデ』！

雑誌を読む人に臨場感を持ってもらえるよう、

撮影は彼女役の陽夏ちゃんのみで行う。


「じゃあ今度は、自由にポーズしてみよう！」


「はい！」


フィルムを替えながら言ったカメラマンさんの言葉に

何の気負いもなく頷く陽夏ちゃん。

そのまま、流れるような動作で履いていた

サンダルを脱ぎ、波に足を浸した。

そして、「早くおいでよ！」とでも言うように、

振り返って手を差し出す。


「すごい…！

　まるで、本当に相手の方がいるみたい…。」


思わず感嘆すると、


「これが陽夏のすごいところよ。

　圧倒的な表現力と、豊かな発想力。

　お芝居をやればいいのにって、

　私ずっと言っているんだから。」


隣で誇らしそうに、茉優ちゃんが胸を張る。

その目は、憧れをしっかりと映していた。


「でも、負けられないって顔、してますね。」


声に振り返ったミレイが、

茉優ちゃんを見て首を傾げる。

それを聞いた茉優ちゃんは、今までの真剣な表情から、

イタズラがバレた子供のような顔になった。


「あら、わかっちゃった？」


コケティッシュに小首を傾げ、

アメジストのような瞳の中で挑戦的な光が輝く。


「そう、負けられないわ。

　私たちだって、Love Me Tearと同じーー。」


茉優ちゃんが小さく息を吐くと同時に、

陽夏ちゃんが向こうから大きく手を振った。


「おーい！雑誌に載せる写真選ぶから、

　茉優たちも手伝って〜！」


茉優ちゃんはパッと振り返り、手を振り返す。


「えぇ、今行くわ！」


二人とも行きましょう、と微笑むと、茉優ちゃんは

先に立って歩き始める。

何を言おうとしたんだろう？

私とミレイは顔を見合わせて、

茉優ちゃんを追って歩くのだった。

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