愛カツ! ページ7
「アイカツのアイは、愛情のアイです。
愛がなければ、幸せや笑顔を届けられません。
幸せや笑顔が無いアイカツなんて、アイカツじゃないでしょう?」
真っ直ぐに私たちを見つめ、諭すような口調のお姉さま。
その言葉に、心を貫かれた。そうだ、また忘れていた。
アイドルとしての私の願いは、皆に夢や希望を届けること。
決して、勝つことじゃないのに……。
黙り込んだ私の向かい側で、ミレイの声がした。
「アタシ、勝つことしか考えていませんでした……。
今までずっとそれをモチベーションにして来たんです。
そんなアタシでも、出来ますか?愛情の、アイカツ」
ミレイには珍しい、困ったような、自信なさげな口調。
その言葉に、お姉さまは迷いなく笑顔で頷いた。
「好きと言う気持ちがあれば、誰でも。
ミレイちゃん、本当はダンス大好きでしょう?
以前のステージ、テレビでですが拝見しましたよ。
とても楽しそうでした。だから、大丈夫です」
ミレイはハッとしたように顔を上げる。
もしかしたら、自分がダンスを好きであることに、
今初めて気がついたのかもしれない。
「ありがとうございます。
カレンさんに言われたこと、忘れません」
ミレイが噛みしめるようにしてそう言うと、
お姉さまは慈愛に満ちた笑顔を浮かべる。
「カリンちゃんもだよ」
黙って成り行きを見守ったままの私に、
ミライさんから声がかかった。
驚いてミライさんを真っ直ぐ見つめると、
私の顔をのぞき込んで微笑む。
「カリンちゃんも、ステージしてるとき、
歌とドレスが好き好き大好き!って言ってるよ。
その気持ちを、絶対に忘れないでね」
「はい!ミライさん、お姉さま、ありがとうございます。
大切な事に気がつくことが出来ました」
本当に、今回の事はお礼を言うしか術がなかった。
……悔しいけれど、やっぱりLove Me Tearはすごい。
「可愛い妹と後輩だもん!当たり前当たり前!」
ミライさんはお姉さまと顔を見合わせて、
明るくそう笑い飛ばす。
お姉さまは微笑みながら、でもその瞳の奥に
挑戦的な光を宿しながら言った。
「さぁ、見せてください。
カリンとミレイちゃんの愛カツを!」
「チガカワなステージ、期待してるよん」
ミレイと顔を見合わせて、頷き合う。
ミレイとなら、きっと最高の愛カツが出来る!
根拠の無い自信と共に、私はアイカツシステムへ向かった。
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茉凜(プロフ) - かなこさん» 嬉しいです…!頑張ります! (2019年10月25日 0時) (レス) id: b85dc48253 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 文才が・・・めっちゃすごいです!更新頑張ってください! (2019年10月14日 16時) (レス) id: baef1a099d (このIDを非表示/違反報告)
茉凜(プロフ) - さらさん» 文章の表現!!一番気を使っている部分なので、褒めて頂けてとても嬉しいです!大好きなんて言われたら、もちろん頑張っちゃいますよ!ありがとうございます! (2019年8月17日 22時) (レス) id: b85dc48253 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 文章の表現がすごくて大好きになりました!忙しいとは思いますが、更新頑張って下さい! (2019年8月17日 22時) (レス) id: dce6a31fb2 (このIDを非表示/違反報告)
茉凜(プロフ) - みららさん» ありがとうございます!可愛いですよね!すごく気に入ってます。更新頑張ります! (2019年8月9日 10時) (レス) id: b85dc48253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉凜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Marinn4/
作成日時:2019年8月7日 19時