【青葉城西】お前ら、モブを邪魔するんじゃねえ

009. ページ10

「じゃあ今日はこれで終わり！お疲れ様〜」

「「した〜」」




軽くミーティングをしてから部活は解散。

もちろんこれから自主錬をする人もいるだろうし、マネージャーも片付けがある。
……仕事は明日からと言われたとはいえ、マネージャーになる私が仕事もせず帰っていいものか。


悶々と悩むが当たり前のように誰も答えは教えてくれない。

まあ当たり前だ。これは私の問題だから。





そう悩むあいだも遥香さんは着々と片付けをし、早い人は軽くミニゲームを始めている。

…………もう悩んでいる暇はないみたいだ。



私は一度持ち上げたカバンを置き、水道へと歩いていった遥香さんを追いかけた。




































暗闇の中にポツンと薄い電灯で浮かび上がる水道。
そこにはもちろん遥香さんがいる。



『…………あの……』


一度声をかけてみるが遥香さんは振り向きもしない。



『………………あの…………！』


今度は少し音量を上げてみる。
遥香さんは軽く頭を上げてきょろきょろした後、“？”を浮かべてまた仕事を再開した。








………………あーこれ、よくあることじゃん。

モブの私は存在感も薄い。
だから気づいてもらえず忘れられることがしばしば。


いつも通り行けばこのまま大声を出すまで気づいてもらえなくて＿＿＿＿













「あの、どうしましたか？




A先輩？」

010.→←008.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す