【青葉城西】お前ら、モブを邪魔するんじゃねえ

006. ページ7

いつもおちゃらけている及川も、眠そうな国見くんも、オカンな岩泉も。

みんながみんなコートの中で輝いて見えた。































『……いいなぁ…………』




無意識にそう零していた。



「なにがですか？」




『…………っえ？』



私をのぞき込むようにニコニコと笑う２年生。

確か百瀬遥香さん。





「バレー部、入りませんか？」



私はハッと顔を上げる。

そこにはさっきと変わらない笑顔があった。




ただ言葉だけは、違う色を纏って見えた。














今までバレー部が私にかけた言葉は【入らないんですか】とか【入ってね】とかだった。

でも遥香さんは【入りませんか】と言った。




【入らないんですか】は、入って欲しいけどいても居なくても変わらない。そんな意味を含んでいる。

【入ってね】は、強制されているから必要とされるように見えるけど実際はとりあえず入ればいい、みたいな意味。


【入りませんか】は、私に選択肢を与えた。あなたの意思で入ってくれたら私はとても嬉しい。という意味を含んで見えた。





まぁ語弊もあるし、言葉のあやもあるだろう。

実際にその意味が含まれているのかって言うと、そうではないかもしれない。



でも、…………











私の中で何かがストンと落ちた。

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