ツキノヨニ (ページ8)

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「やっと来たか、おせーよ」

「ごめん」

古びた使われていない倉庫に到着した海人に、廉はスマホをいじりながら不機嫌そうに言った。

紫耀、廉、海人、優太、勇太、玄樹の6人は放課後になると毎日ここへ集まり会議をするのである。

「まさかお前らの学校の奴らにまで手を出すことになるとはなあ」

地面にそのまま胡座をかく優太がAと同じ学校に通う4人に向けて話す。

「手掛かりが全然無いんだよ。手当り次第やるしかないだろ」

紫耀は答えた。

「もし見つからんかったら学校の女子全員死ぬんかな。それはそれでおもろいけど」

廉は人の死に関心が無かった。目的を達成できれば犠牲が出ても気に留めないようである。

紫耀はそれが許せなかった。

「なんだと」

「ねえ、もういい加減にして。廉がそういうこと言うから。紫耀もいちいち噛み付かない」

頻繁に2人の言い合いが起こるのでその度に玄樹は仲介する役目だった。それも段々と嫌気がさしてくる。

「……紫耀、あのさ……」

なんとか喧嘩にならずに済んだピリピリした空気の中、とても言いづらそうに海人が声を出す。

「何」

廉の発言がまだ気に障るのか、紫耀は若干冷たいトーンで反応した。

「もしかしたら……だけどね…………ほんとにもしかしたらだけど……A、ちゃんかもしれない……」

「…………は？」

紫耀は耳を疑った。