あの子の正体【まふまふ】 (ページ7)

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ドアの鍵はお兄ちゃんが開けてくれて私は部屋に入る。結局エレベーターの中で泣き止むことは出来ずリビングのソファに座ってもなお泣いていた。お兄ちゃんは服が濡れてしまうのも気にせず、そんな私をずっと抱きしめてくれていた。それだけで安心することができ、涙は徐々に収まっていった。

「A、落ち着いた？」
「うん……」
「何があったか、ゆっくりでいいから聞かせてくれる？」

　言えない。実は職場で都合のいい人だと思われていたことを知ってショックを受けて泣いていた、なんて私を心配してしたお兄ちゃんには言えない。

「……ごめん。言いたくないなら無理しないで。Aが言いたくなった時でいいから。」
「ごめん……」
「謝らないでいいんだよ。何があっても僕はAの味方だからね。」

　またお兄ちゃんに甘えてしまった。お兄ちゃんから自立したくて復職しようと思っていたのに、それはしばらく叶いそうになさそうだ。

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少しだけ落ち着きました。スローペースですが更新したい気持ちはあるんです。