あの子の正体【まふまふ】 (ページ6)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:699 hit

5(mf.side) ページ6

僕の家にAが住むようになって1ヶ月近くが経った。Aはそろそろ働きたいと言っているけど僕はまだ早いと思ってる。Aには1～2年くらいは休んで欲しい。短すぎるかな？

　僕としてはずっと家にいてAを見守っていたい。でも社会というのはずっとひきこもることを許さない。打ち合わせのために外出することになってしまった。

「そんなの電話とか使ってオンラインですればいいのに……」

　思わずそう呟いてしまう。それもそうだ。僕がいない間にAに何かあったらどうしてくれるんだ。それでもその打ち合わせは重要なもので、僕がいなくてはどうしようもない。僕は嫌々外出した。

　結論から言おう。行かなきゃ良かった。

　打ち合わせを終え、すぐに家に向かった。次の予定？そんなのメールかなんかで決めさせろ。マンションのオートロックを解錠して、エレベーターへ向かう。誰かの泣き声がする。僕はこの声に聞き覚えがある。まさか……

「……えっ、A！？どうしたの！？」
「お兄ちゃん……」

　Aが泣いていた。Aは僕を見つけた瞬間、一瞬だけバツの悪い顔をして僕に抱きついてきた。安心したのか、泣き声は大きくなる。

「……とりあえず、エレベーター乗ろっか。部屋に帰ろう？」
「うん……わかった……」

　何とか聞き取れた返事を聞き、僕はAとエレベーターに乗り込んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お久しぶりです。学校が始まり、新しい生活に馴染むのを最優先にしていた結果、執筆が止まってしまっていました。これからもゆっくりとですが書き進めていこうと思います。