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「あ、伊野ちゃん久しぶり〜!何か心配かけちゃったみたいで」
「………」
「…ねぇ、薮。これどういうこと」
「いや、ついさっき目覚めて」
「え?俺がこんなに急いで来て、元気いっぱいの大ちゃんに出迎えられた気持ち分かる?分かんない?とんだ拍子抜けだよ」
「ひっどい!これでも俺怪我人なんだからねー?ってか予想以上に心配してくれててびっくりなんだけど」
急いで駆け付けた病院。
大ちゃんの病室を受付で聞き、
看護師さんの注意も聞かずに
ダッシュで大ちゃんの病室までたどり着き、
勢いよく扉を開いたら間抜けな笑顔で迎えられた。
さっきまでの緊迫した雰囲気はなんだったんだ、
って言いたくなるほどの拍子抜けな展開に、
ほっとするやらイラッとするやら。
俺のこめかみが
ぴくぴくと
けれども、
大ちゃんが事故にあったことは事実だ。
俺は怒りを抑えて、
はぁ、とため息を吐き、椅子に座った。
「それで、本当に大丈夫なの?」
「うん!骨折とかもしてないし、特に痛めてるところなし。せいぜいかすり傷程度で全然元気だよ!今すぐ退院してもいいくらいなんだけど、検査入院とかなんとか」
「そりゃ頭打ってるしね。バカになってたりしない?」
「ひっでー!それはないよ!」
笑い声をあげながら
いつもの明るい声を出す大ちゃんに、
俺はどうしようもなく安心させられた。
ただでさえ大ちゃんが
白い病院の部屋のベッドにいるだけでも
なんだか落ち着かないのに、
頭にしっかりと包帯を巻かれて、
かすり傷であろう部分にガーゼが貼ってある状態だ。
さっきまで最悪の状態すら想像したからこそ、
こうやって騒がしい笑い声に張り詰めた糸が緩む。
だからぽろりと、
よかった、なんて弱々しい声が出てしまった。
そんな俺の言葉を聞いた大ちゃんは、
目を丸くして驚いた顔をしてみせる。
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べーちゃん(プロフ) - 切ない話だったけどとても素敵でした泣 いのちゃんが強いな、すごいなと思いました。そして大ちゃんが可愛かったです。ハッピーエンドって言えるかどうかわからないけど、終わりが好きでした。 (2017年10月17日 7時) (レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - keiさん» コメントありがとうございます!始まったときから読んでいるとは…ありがとうございます!と同時に更新遅くて申し訳ない気持ちでいっぱいです(;;)そんな中最後まで着いてきて頂き、さらに何回も読んでくださるとは本当に嬉しいです…!次回作も頑張ります(´ヮ`*) (2016年12月20日 21時) (レス) id: 2cfd20ff13 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます!小説が始まったときからこっそり読ませて頂いてました。本当に素敵なお話で感動して、ホントに完結しちゃったって感じで通知欄に更新がないのが寂しいです…。でもこれからも何回も読ませて頂きます!これからも頑張って下さい! (2016年12月20日 19時) (レス) id: adb857be1d (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます。号泣とは…!嬉しいです;_;たまに文章変かな?と思うときがあるのですがちゃんと伝わっているみたいで安心しました(笑)次の作品も今書いている途中なので気長に待って頂けると幸いです(*^-^*) (2016年12月20日 6時) (レス) id: 2cfd20ff13 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 乙音さん» コメントありがとうございます。なかなか更新出来なかったのですが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございます;_;次の作品も素敵なものが出来るように頑張ります! (2016年12月20日 6時) (レス) id: 2cfd20ff13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ま つ り。 | 作成日時:2016年9月6日 19時