◇１９ ページ19
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「……いの、ちゃん…」
掠れた声で大ちゃんが呟く。
やっと会えた。
思わず喜びが溢れるが、その俺から隠すように
間に高木が立ちふさがった。
大ちゃんだけに目を奪われて気付かなかったけど、ずっと隣にいたらしい。
すぅ、と頭が冷え、状況を確認する。
気まずそうにこちらを見る大ちゃんに、睨みつけてくる高木。
その手には赤ん坊が抱きかかえられていた。
「伊野尾くん……、何でここにいるんだよ」
高木は大ちゃんに赤ん坊を託すと、先に帰るように促す。
「ちょ、大ちゃん…！」
高木の隣をすり抜け追いかけようとすると、
腕を掴まれ再び高木の前に押し戻される。
肩越しに見る大ちゃんは本当に帰って行っているようだった。
少し小走りになっているような気すらして、
そんなに会いたくなかったのかと泣きたくなった。
「ねぇ…伊野尾くん……」
高木がどこか心配そうに見てくる。
顔に出ていたのだろう。
「なに、」
「あの、さ……いや、やっぱりいい。何でここにいるの？……偶然？」
「違うよ。ここに、大ちゃんがいるって聞いたから。会いに来た」
「…誰に」
「薮に」
言うと、高木は目を丸くして気まずそうに顔を
逸らす。
くそ、と口の中だけで呟くと、不快を隠そうともせず俺の方を見た。
「帰れ」
「はぁ！？」
「さっさと帰れって言ってんの」
「何で…、せめて、会って話すくらいならさせてよ」
胸の中に湧き上がる不快感そのものに高木を睨みつけると、
高木も同様に険悪な空気を変えようとしなかった。
「○○くんは会いたくないんだよ」
「……それでも、」
「分かったら、さっさと帰って」
そう言うと高木は俺から手を離すと、踵を返して歩き出す。
まさかここまで拒絶されるとは思っていなかったから、
俺は呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
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ほっぺ(プロフ) - 凄く続きが気になります！お忙しいかとは思いますが、更新再開気長にお待ちしてます！ (2020年6月30日 22時) (
レス) id: 923ca6dc6e (このIDを非表示/違反報告)
やぶありLOVE(プロフ) - 続き気になります！更新お願いします！ (2020年3月7日 10時) (レス) id: 406a1fec80 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - この小説好きなので更新再開待ってます (2018年8月1日 22時) (レス) id: d204f4b0c0 (このIDを非表示/違反報告)
ありきち - まつりさんのいのあり小説がホントに大好きです！ これからも更新待ってます 。頑張って下さい ！！ (2018年3月22日 22時) (レス) id: 9edaa1908a (このIDを非表示/違反報告)
ま つ り。(プロフ) - はるさん» ありがとうございます！更新遅めですがお待ちください(＞＜) (2018年3月6日 21時) (レス) id: 28c1963f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま つ り。
| 作成日時：2018年2月5日 20時
