あの日の後悔と想いと (in×ar)

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うとうとと目を瞑り、次に開いたときには既にホテルに到着していた。


男二人が泊まるには申し分ないビジネ○○○テルで、


薮は手馴れた様子でチェックインを済ませていた。


どうやら予約をしておいてくれたらしい。









「はい、伊野尾は901。俺はその隣」









カードキーを貰い、荷物を置く。


窓からの光景はやはり日本とは違ったもので、


どちらかというとこちらのほうがのどかなように見えた。


遠くに海が見え、そういえば高木は海が好きだったなと思い出す。









薮が言うには、二人の家はこのすぐ近くにあるらしい。


休日には二人で海にでも行くのだろうか、と


考えると心臓の底が冷える心地がした。









ツテが全くなかった頃には会いたいと願っていたはずなのに、


いざ大ちゃんと再開できるとなると臆病な自分が待ったをかける。









この二ヶ月間自問自答の繰り返しだった。


会って自分がどうしたいのかも分からない。









もしかしたらただ単に自分の思いに決着をつけたいだけなのかもしれない。


幸せそうにしている大ちゃんを見て、


おめでとうと言えたのなら、


やっと自分もあの部屋から出ていけるような、


そんな気がする。









どちらにせよ、もうここまで来てしまったのだ。


ノックの音に現実に戻され、スマホと財布を鞄に入れると外へ出る。









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