＃４ ページ4
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部屋でパソコンと睨めっこしているとインターホンが鳴り、玄関へと向かった。
どうやら郵便物のようでメール便のように薄い荷物には母親からの名前が書いてあった。
なんだろう…？
俺はだらだらとしていたレポートを早々にやめ、
外袋にハサミを入れた。
中身は薄い封筒が入っていてそこから数枚のチケットとメモが出てきた。
『別に来なくてもいいから渡して欲しいって届けにきてくれたよ。
本当は今回が初めてじゃないの。
だから今までの分も纏めて送っておきます。
帰ってくるなら連絡下さい。
あと、大貴のことは何も話していません。』
チケットを見て俺は固まる。
それは全てBESTのコンサートのものだった。
日付を見れば半年おきにコンサートをしているようだ。
そういえば先日見たエンタメのニュースで、
今回はさらにキャパを広げドームで開催すると報じられていたのを思い出した。
妙に冷静になって俺は母親にメッセージを送った。
母親には感謝してもしきれない。
俺が頼んだことをずっと守ろうとしてくれた。
伊野ちゃんにも学校の人にもどこへ行ったかとか何も話さないでほしい、
あと何か渡されても捨ててくれ、と。
けれどきっと伊野ちゃんの顔を見て捨てるに捨てれなかったのだろう。
悩んだ末に送ってくれたのだと思う。
俺はどうしたものかと今回のチケットを見ていた。
なんとなく裏面を見たときに背中が粟立った。
『俺を見て』
小さく書かれたそれは変わらない伊野ちゃんの文字だった。
伊野ちゃんはただのファンの一人に過ぎない俺にそう綴った。
いつだって俺は伊野ちゃんを見ていた。
けれどそれは過去の話。
もう伊野ちゃんのことだけを見ていられない。
そんな俺の心を突いたような言葉だった。
手が震えているのを目で見てやっと理解して両手で抑え込む。
好きなのにどうして好きでいられないんだ。
ファンに向けるあの笑顔も全部全部欲しいのに、
どうして俺は伊野ちゃんだけを見ることが出来ないのだろう。
好きだから、だからどうか諦めて欲しい。
それは伊野ちゃんには届かない願い。
そして俺自身にも当てはまるのだ。
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shiori(プロフ) - はじめまして！この作品が大好きでどうしても続きが見たいと思ってしまいます…！大変かとは思いますがぜひよろしくお願い致します！！ (2019年9月20日 0時) (
レス) id: ae1427f3b0 (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - P.S. 14話の「大ちゃんを適当にあしらいながら」に少し違和感を感じたのですが…もし違ったらごめんなさい！！ (2018年9月5日 2時) (レス) id: 25896fb88b (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - まつり。さん、初めまして。作品、続きが出るのをワクワクしながら待っています^^ 更新、お忙しいかと思いますが、まつり。さんのペースで、頑張ってください。陰ながら応援しています！ (2018年9月5日 2時) (レス) id: 25896fb88b (このIDを非表示/違反報告)
ま つ り。(プロフ) - あぽろさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです(；＿；)頑張ります！！ (2018年8月26日 16時) (レス) id: 28c1963f62 (このIDを非表示/違反報告)
あぽろ(プロフ) - すごい続きが読みたくなるようなお話ですごく面白いです！これからも更新頑張ってください！ (2018年8月26日 16時) (レス) id: 45c25e2e4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま つ り。
| 作成日時：2018年8月1日 22時
