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行為を終えて並んで寝転んでいると、
伊野ちゃんが頭を撫でてくれた。
あの日のようにくるくると髪を弄びながら、
時々くしゃりとかき混ぜて。
不意に目があって、瞼に口付けを落とされる。
瞳を開けると悲しい顔がそこにあった。
何度か口をぱくぱくと動かした後、
ようやく決心がついたように伊野ちゃんは話し出す。
「…本当はさ、俺、ずっと覚えてた。あの日のこと、忘れてなかったよ。…だから大ちゃんが結婚式来なかったのホッとしたんだ。大ちゃんの顔、まともに見れなかっただろうから…」
「……今更」
「うん、ごめん…今更、だよね」
どうにもならない懺悔なんか聞きたくなくて、
唇で唇を塞いだ。
ぴったりと重なったそれは禁忌の箱を閉じる蓋のように思えた。
この蓋が閉じている間だけは、
道ならぬ恋であることを忘れて普通の恋人同士でいたい。
…男同士って時点で普通じゃないか。
「伊野ちゃん、もっかいしよ。さっきは急いでたから、今度はゆっくり。まだ時間あるでしょ?」
「…うん」
最終電車が出てしまうギリギリまで、俺を抱いてよ。
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まつり(プロフ) - こなにゃさん» お久しぶりです…!占ツクでもありがとうございます!やっと完結することが出来ました。お互いこれからも頑張りましょうね!(^ ^) (2017年10月27日 19時) (レス) id: 28c1963f62 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - tonkoさん» 2度も感想コメありがとうございます!(^O^)/また素敵なお話が書けるよう頑張ります…! (2017年10月27日 19時) (レス) id: 28c1963f62 (このIDを非表示/違反報告)
こなにゃ(プロフ) - フォローさせていただいています、こなにゃです!完結おめでとうございます。涙なしでは読めないinarの作品でした。私の語彙では表現しきれないほど素晴らしい作品をありがとうございました!(^^*) (2017年10月27日 18時) (レス) id: 880390ae13 (このIDを非表示/違反報告)
tonko(プロフ) - 完結おめでとうございます!切ないけど素敵なお話ですね。まつり様の書かれる小説大好きです。ありがとうございます(*´ー`*) (2017年10月26日 20時) (レス) id: 98d4a60636 (このIDを非表示/違反報告)
ともか(プロフ) - まつりさん» いえいえ!!いのあり大好きなので、いつも楽しく拝見させていただいてます!! (2017年9月27日 7時) (レス) id: afd49e2f58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ま つ り。 | 作成日時:2017年9月15日 13時