胸が苦しい ページ8
･
Aside
頭が痛い。ズキズキする。
頭の痛さにふと目を開けると
リビングの方から物音がした。
…あれ、私どうやって帰ってきたんだっけ？
確か咲と飲んでて、潰れちゃって…
なんだ、じゃあリビングにいるのは咲か。
そんな軽い気持ちでリビングの扉を開けると
ソファから少しだけ見えた頭を見て私は絶句した。
だってここには居るはずない人がいたから。
岩「…スゥ、」
『…え？なんで？ま、まって、起きて、翔吾くん』
岩「ん…？あ、起きた？おはよお、」
『おはよう…じゃなくて、なんでここにいるの！？』
岩「…あ、ああ！ごめんな！説明させて？」
眠そうな目をパッチリと開けて、
私を横に座らせた翔吾くん。
気まづそうな顔をして口を開いた翔吾くんは
どこか寂しそうで泣きそうな顔をしていた。
岩「陸さんとちゃんと話してあげてほしいんやけど、あかんかな？俺、昨日Aちゃんに会いに行こうと思って歩いてたら、店の中から泣き声が聞こえてきたから見たらAちゃんやって、」
『…もう会えないよ、』
岩「、二人に何があったんかは分からん。でも今の陸さんは見てられへんほどに弱ってて、仕事にも身が入ってへんねん。」
『私がいたから陸くんは…陸さんは変わっちゃったの』
岩「…陸くんって呼んでくれるから頑張れるって陸さん言ってた。なあ、お願い。逃げんといて、ちゃんと向き合って。」
お願いします、と泣きそうな顔で頭を下げた翔吾くんを見て
それほどまでに陸くんは苦しんでるのだと
痛いほど伝わって、胸が苦しくなった。
でもそれと同時に、
彼の中にまだ私が居続けてるのだと
実感ができて嬉しくもなった。
私はまだ、こんなにも好きなんだよ
『…好きだから、離れたの』
岩「っ答えは出てんのに、なんで離れるん、？」
『大好きだからこそ離れなくちゃいけなかった。私が彼の傍にいると困らせちゃうの』
岩「…今やって、泣きそうな顔してんのに、我慢しんといてや、」
そう言って翔吾くんは私の頬に手を伸ばした。
離れた翔吾くんの指先を見ると
部屋の電気に反射して濡れているのが分かった。
…泣いちゃダメだと、言い聞かせているのに
こんなにも簡単に涙は出てしまうんだね。
『っ、会いたいよ、りくくんに会いたい、』
岩「…Aちゃん、」
『でもダメなの、会っちゃいけないの、』
『彼を困らせたくないの、』
陸くんじゃなきゃダメなんだよ
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
A.A - めちゃくちゃ話が分かりやすくてそれでいて面白かったり人間性が出てて読み応えがありました！ (2021年5月22日 18時) (
レス) id: 9490031ced (このIDを非表示/違反報告)
まぁむ(プロフ) - Kさん» なかなか書けてなくてすいません、最後までお付き合い頂けると嬉しいです(^^) (2020年7月27日 9時) (レス) id: d3f456f7aa (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます（ ; ; ）続きが気になります！！ (2020年7月13日 15時) (レス) id: d3f3388430 (このIDを非表示/違反報告)
まぁむ(プロフ) - minjae1246さん» 完結までお付き合いいただけると嬉しいです。これからも読んでくださいね！ (2020年6月22日 10時) (レス) id: d3f456f7aa (このIDを非表示/違反報告)
minjae1246(プロフ) - 続きが見たいです！！！ (2020年6月20日 9時) (レス) id: 952e7d2ff8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まぁむ | 作成日時：2020年5月9日 15時
