叶わない ページ21
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樹side
初めて彼女を見た時、
感じた事のない気持ちに襲われたのを
昨日の事のように鮮明に覚えている。
あれは確か、GOTRのリハだっけ。
『お、おはようございます…！』
そう言って肩を縮こませながら
スタジオに入ってきた君を見て、
俺はその日初めて
誰かを光り輝く月みたいだと感じたんだ。
本当、馬鹿みたいに綺麗だと思った。
これ以上綺麗な人はこの世界に
存在しないんじゃないかと錯覚してしまうほど。
でも、そう思ったのと同時に
不毛な恋だな、と一瞬で悟った。
だって、その柔らかな目で見つめるのは
ずっと陸さんだけだったから。
他のメンバーなんか見えちゃいなかった。
眼中に入ることすら許されなかった。
…まぁ、そっちの方が良かったかも。
彼女にのめり込む前に
こうして阻止されたんだから、
より一層ツアーに集中できる。
…でも、少しでいいから、
その柔らかな目をこっちにも向けて。
その目に俺の姿を、たった一秒でいいから入れさせて。
なんて願ってしまったのも事実であって。
陸さんの気持ちに勘づいていながら
そんなことを願ってしまった
自分の醜い部分に気づいた時、
途端に消えてしまいたくなった。
恋に溺れるなんて事、
俺は無縁だと思っていたのに。
浦「おい、藤原！」
樹「何。てか耳元なのに声デカすぎ。」
浦「何黄昏てんだよ！悩み事か！？今なら俺が聞いてやるぞ！」
樹「…しょーへーに言っても。」
浦「んなっ！？失礼な！俺の優しさ返して！！」
壱「ハハッ、樹めちゃくちゃハッキリ言うね笑 じゃあ俺が聞いてあげるよ」
樹「…昔の事を思い出してただけですよ。」
壱「へぇ…Aちゃんと出会った日の事？」
樹「…！？」
壱「ふは、声出てないで笑 い〜つき、俺を誰やと思ってるん。樹の目見ただけで気づいてたよ。まぁ俺だけやと思うけど」
冬から始まる新しいツアーの為の
会議の休憩中、椅子に座りながら
ボーッとしていたら
隣に居た翔平に声をかけられた。
その隣に座っていた壱馬さんが
核心をついてきたから驚いて声も出なかった。
壱馬さんは、やっぱり人の事よく見てるなぁ。
樹「…密かに想うだけでいいんです。それ以上は望んだ所で、無駄なので」
壱「無駄？」
樹「初めから答えが分かってる問題をわざわざ時間を割いて考えますか？回答を見ちゃいません？それと同じです」
壱「まぁ、確かに」
きっともう、陸さんには何もかも叶わないから。
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A.A - めちゃくちゃ話が分かりやすくてそれでいて面白かったり人間性が出てて読み応えがありました！ (2021年5月22日 18時) (
レス) id: 9490031ced (このIDを非表示/違反報告)
まぁむ(プロフ) - Kさん» なかなか書けてなくてすいません、最後までお付き合い頂けると嬉しいです(^^) (2020年7月27日 9時) (レス) id: d3f456f7aa (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます（ ; ; ）続きが気になります！！ (2020年7月13日 15時) (レス) id: d3f3388430 (このIDを非表示/違反報告)
まぁむ(プロフ) - minjae1246さん» 完結までお付き合いいただけると嬉しいです。これからも読んでくださいね！ (2020年6月22日 10時) (レス) id: d3f456f7aa (このIDを非表示/違反報告)
minjae1246(プロフ) - 続きが見たいです！！！ (2020年6月20日 9時) (レス) id: 952e7d2ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぁむ | 作成日時：2020年5月9日 15時
