逃げさせて ページ3
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Aside
逃げてきた。
昨日自分がしたことを冷静になった頭で考える。
…もう、ほんっとうに今すぐにでも消えたい。
無理やりベッドに押し倒して、
その上キスしたんだよ？
幻滅されて当然、嫌われて当然。
好きだと言った時の彼の顔は
少しだけ頬を赤らめて、でも少し困ってた。
そりゃあ困るよね。
だって私は一般人で、しかもファンだもん。
伝えるつもりは無かった。
彼を困らせることはしたくなかった。
世界で一番大好きな彼だからこそ。
でももう、我慢の限界だった。
私の気持ちに気づいてくれないし、
その上マスク越しにキスしてくるし？
なんなのもう。何がしたいの。
そんなのされたら、誰だって勘違いするじゃない…
長かった単独ホールツアーが終わったばかりで
疲れているのか、まだ寝ている彼を起こさないように
そーっと腕の中から抜け出した。
パジャマから私服に着替えて、
カバンの中から紙切れを一枚取り出して
彼への " 最後 " のメッセージを書く。
" 昨日のことも、私の事も忘れてください "
" これからも頑張って "
" THE RAMPAGEのRIKUを応援しています "
書いているうちに、視界がぼやけた。
どうしてこんなときでも、涙は出るのか。
彼への最後の言葉くらい普通に書かせてよ。
自分で決めたことなんだから
泣くなよ、私。
どれだけ拭っても
両目から溢れる涙は止まらなかった。
なんとか言葉を紙切れに書ききって、
未だに流れる涙を零さないように荷物を纏めた。
私が残した紙切れの端っこに
涙が零れてしまったのには気づかなかった。
ごめんね、陸くん
でも今日だけは逃げさせて。
貴方の前から消えることを
どうか許してください。
部屋を出てすぐに彼の電話番号を消した。
ラインの連絡先も消した。
もちろん、メンバーさんのも。
これで彼と私を繋ぎ止めていたものは全て消えた。
喜ぶべきなのか、悲しむべきなのかも分からない。
ホテルから出ると、生憎にも激しく雨が降っていた。
『傘なんて、持ってるわけないじゃん、、』
雨の中、静かに歩き始める。
走る気力なんか私には残ってない。
気持ち程度にタオルを頭から掛けたけど
正直何の役にも立ってないし。
雨が降る中、声を上げて泣いた。
人目もはばからずに泣いた。
貴方のことで泣くのはこれで最後にしよう。
好きになってごめんね。
貴方の前から消えたとしても、
私は変わらず貴方の事が好きです
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A.A - めちゃくちゃ話が分かりやすくてそれでいて面白かったり人間性が出てて読み応えがありました！ (2021年5月22日 18時) (
レス) id: 9490031ced (このIDを非表示/違反報告)
まぁむ(プロフ) - Kさん» なかなか書けてなくてすいません、最後までお付き合い頂けると嬉しいです(^^) (2020年7月27日 9時) (レス) id: d3f456f7aa (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます（ ; ; ）続きが気になります！！ (2020年7月13日 15時) (レス) id: d3f3388430 (このIDを非表示/違反報告)
まぁむ(プロフ) - minjae1246さん» 完結までお付き合いいただけると嬉しいです。これからも読んでくださいね！ (2020年6月22日 10時) (レス) id: d3f456f7aa (このIDを非表示/違反報告)
minjae1246(プロフ) - 続きが見たいです！！！ (2020年6月20日 9時) (レス) id: 952e7d2ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぁむ | 作成日時：2020年5月9日 15時
