コイワズライ ２

教えて ページ6

・

翔吾side





あれから何度も、同じメールが届くようになった。
その日の俺の行動をまるで監視してるような
一人の時の写真だったり、メンバーとの写真だったり。

それから、スタッフさんの事が怖くなって
あまり目を合わせて話せなくなった。
そんな俺の様子に気づいて、
陸さんが話聞くよって言ってくれたんだけど
その会話さえも誰に聞かれてるか分からないから、
何も言えなかった。



今日も、いつも通りスタジオに篭って淡々と一人で踊る。
外にも出られないし、
陸さんと一緒に帰るから
ボイトレが終わるまでいつもこうして待ってる。

イヤホンから聞こえる音に身を任せて、
どれくらい踊ってたかな…
あの人が来たから、もう覚えてないや




西「岩谷さん、お疲れ様です」


翔「……！びっ、くりした…」


西「これ、良かったら！」


翔「あ、…ありがとうございます、」


西「まだ踊るなら、ここで見ていてもいいですか？岩谷さんのダンス、私大好きなんです！」


翔「もう帰る所だったんで、…すいません」




ああもう、陸さん早く来てよ…！

あともうちょっと踊りたかったのに、
西さんが来たから帰る羽目になっちゃった。

どうしよう、ボイトレ室に入らせてもらう？
でもなー、、邪魔になるだろうし。


西さんが目の前に居るのに、
こんなこと考える余裕は残ってたらしい。




西「一つだけ、聞かせてください」


翔「…？はい、」


西「どうして私の目、見てくれないんですか？そんなに怖いですか？最近怖い事多いですもんね、それですか？」


翔「…やっぱり、西さんやったんですか」


西「私じゃないですよ。でも私、貴方を手に入れるためなら何だってするから。…それじゃあ、また会いましょう、翔吾さん？」




西さんが出て行った後、
急に目の前が暗くなった。
頭が痛い。クラクラする。
急いで椅子に座って、自分で持ってきていた水を飲んだ。

なんや、あの言い方。
やっぱり西さんが関係してたんや。

最近来る変なメールも、
ずっと誰かに見られてるあの感覚も、
全部、西さんやったんや。


そうか、やから山彰さんは
俺に一人になるなって言ったんや。




壱「翔吾〜、ってどうした？顔真っ青だけど、」


翔「ああ、壱馬お疲れ。陸さんは？」


壱「なぁ、答えて。何があったん」


翔「…大丈夫やから。ありがとうな！」




こんなん誰にも、言えへんって。





・

約束したやろ→←一人でも

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す